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[その他]  プラスチック製食器等から高レベルのマイクロプラスチック放出
2020.10.26 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

プラスチック製哺乳瓶を洗浄・滅菌・調乳する過程で、温度に比例して多量のマイクロプラスチックが放出されることが明らかに。また、プラスチック製の水筒や弁当箱、電気ケトル等からも同様の傾向がみられたという。アイルランド・ダブリン大学トリニティカレッジの研究。

プラスチックの一種であるポリプロピレンは、食品容器の材料として最も一般的に用いられている。しかし、ポリプロピレン製容器からどれほどの量のマイクロプラスチックが放出されているかについて、これまで評価されてこなかった。

研究チームは、粉ミルクの準備(洗浄、滅菌、調乳)に関する国際ガイドラインを利用して、世界の哺乳瓶市場の68.8%を占める10の代表的なポリプロピレン製哺乳瓶や、日用品から放出されたマイクロプラスチックの量を測定した。

マイクロプラスチック摂取の健康リスクについては現時点では明らかになっていないが、本研究では容器の取り扱い方法を工夫することで摂取量を低減させる方法について提言している。

《主な調査結果》

・ポリプロピレン製哺乳瓶は(中に入れた溶液中)1リットルあたり最大1600万個のマイクロプラスチックと数兆個のナノプラスチックを放出し得る。また滅菌や高温の湯にさらされることで、温度が25℃から95℃に上昇すると、マイクロプラスチックの放出が1リットルあたり60万個から5500万個へと激増する。

・他のポリプロピレン製品(電気ケトル、お弁当箱)も、同レベルのマイクロプラスチックを放出。

・研究チームは世界的な調査を実施し、48の地域で生後12か月の乳児のマイクロプラスチックへの曝露を推計した。哺乳瓶の滅菌と粉ミルクの調乳に関する現在のガイドラインに従ってミルクを用意した場合、乳児のマイクロプラスチックへの平均曝露レベルは1日あたり100万個以上になるという。潜在的な曝露レベルが最も高かった地域はオセアニア、北アメリカ、ヨーロッパで、それぞれ1日あたり210万、228万、および261万個だった。

・放出されるマイクロプラスチックの量は、滅菌および調乳法の変更によって大幅に減らすことができる。

《推奨される滅菌および調乳手順》

・哺乳瓶の滅菌
・WHOが推奨する「乳児用調製粉乳の安全な調乳、保存及び取扱いに関するガイドライン」に従ってボトルを滅菌し、冷ます
・非プラスチック製(ガラスやステンレス鋼など)のケトル等で沸騰させた滅菌水を準備
・室温の滅菌水を使用して、滅菌済みのボトルを3回以上すすぐ

《調乳の準備》

・非プラスチック製のケトル等を使用して熱湯を準備
・70℃以上の湯を使用して、非プラスチック容器で粉ミルクを溶かす。室温まで冷却し、高品質のプラスチック製哺乳瓶に移す

《標準的な注意事項》

・プラスチック容器に入ったミルクを再加熱したり、電子レンジにかけたりしない
・ボトル内のミルクを勢いよく振らない
・プラスチック製哺乳瓶の洗浄の際に超音波処理しない

出典は『ネイチャー食品』。 (論文要旨)      
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