2020.10.22
, EurekAlert より:
雑音は、食事経験を高めたり損なったりするようだ、という現実のレストランの一般的な雑音を模倣した実験結果が発表された。豪州フリンダース大学の研究。
音響学の専門家は、本研究によって、高い雑音レベルが、料理の質やレストランのサービスと共に、食事経験の主要な一部になり得ることを示していると語っている。
「我々の研究が示しているのは、低雑音レベルのリラックスミュージックが食事の楽しみを高めるということだけではない。たとえレストランの通常レベルの背景雑音であっても、食事を損なう可能性があるのだ」と筆頭研究者のマームド・アラミール博士候補生は語っている。
「我々は常に雑音がストレスに及ぼす累積効果を認識しているわけではないが、すべての人が雑音に対して異なる方法で敏感であることを我々は知った。」
研究チームは、15名の参加者に対して、3種類の背景雑音(リラックスミュージック、自動車、レストラン)と3種類の雑音レベル(30、40、50 dBA)がある時の食事に対する嗜好変化を調査した。
その結果、背景雑音は種類によって食事に対する嗜好に異なる影響を及ぼすことが明らかになった。また、雑音の種類には関係なく、音の上昇が食事の嗜好を低下させた。
リラックスミュージックは、雑音のない状態と比べて、30および40 dBAで、食事の嗜好を各々60%および38%上昇させた。
それに対して、レストランの雑音と交通雑音は、すべてのレベルで、食事の嗜好を低下させたという。
本研究結果は、食事の楽しみを増やすような背景雑音の種類とレベルを特定して定量化するのに役立ち、また食事の楽しみを増やす背景雑音のあるダイニングエリアの選択・設計にも役立つ可能性がある、と研究チームは結論付けた。
出典は『応用音響学』。 (論文要旨)
|