2020.10.20
, EurekAlert より:
昨今の状況から旅行や外出を自粛する人に朗報?! テレビで高品質の自然番組を視聴すると、気分が高まり、否定的な感情が減り、引きこもることによる退屈を和らげることができるようだ。英エクセター大学の研究。
この研究はまた、仮想現実で自然を体験することは、さらに大きな利益をもたらし、前向きな気持ちを高め、人々の自然界とのつながりを深める可能性を示している。
エクセター大学の研究チームは96人の参加者を対象に、実験室の条件下で「事務用品会社での仕事を説明するビデオ」を見てもらうことで、まず退屈感を引き起こした。そして、次の3つの異なる方法のいずれかで水中のサンゴ礁のシーンを体験してもらった。 (1)テレビ視聴 (2)360度ビデオを使用するVRヘッドセット (3)コンピュータで生成された双方向性グラフィックスを使用したVRヘッドセット。 これらの映像の作成にあたっては、BBCナチュラル・ヒストリー・ユニットの協力を得た。
結果、3つのいずれの方法でも悲しみなどの否定的な感情を最小限に抑え、退屈を大幅に減らすことが発見された。しかし、幸福などのポジティブな感情の増加につながり、人々が自然とつながっていると感じる方法を強化したのは双方向性のバーチャルリアリティ体験のみだった。
この研究の主任研究者であるヨー氏は、調査結果が長期間の在宅生活をしている人々に重要な影響を与える可能性があると考えているという。「私たちの結果は、テレビで自然番組を見るだけで人々の気分を高め、退屈と戦うのに役立つことを示しています。COVID-19による隔離のために世界中の人々が屋外環境へのアクセスが制限されているなかで、この研究は、デジタルの自然の"服用"から恩恵を得られることを示唆しています」
共著者であるマシューホワイト博士は次のように述べている。「私たちは、自然の没入型体験がもたらす可能性のある付加的なメリットに特に興奮しています。仮想現実は、入院患者や介護の必要な人など、自然界に簡単にアクセスできない人々の幸福を高めるのに役立つ可能性があります。しかしまた、健康な人々の自然とのより深いつながりを促進するのに役立つ可能性もあります。これは、より環境に配慮した行動を促進し、人々に現実世界の自然を保護し維持するよう促すメカニズムなのです」。
出典は『環境心理学雑誌』。 (論文要旨)
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