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[運動]  運動強度は、高齢者の死亡リスクに影響を及ぼさない?
2020.10.12 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

運動強度は、高齢者の死亡リスクに影響を及ぼさないようだ、というノルウェーのランダム化対照試験の結果が発表された。

身体活動は、すべての年齢の人々が健康を改善するために従事できる最も重要な行動の1つとして強調されており、観察研究からのデータは、身体活動が活発な人は、活発でない人と比較して、早期死亡が大幅に減少することを示唆している。

だが、身体活動レベルに関する現在のアドバイスと寿命の間の潜在的な直接(因果関係)に関しては、高品質の臨床試験によるエビデンスに欠けていた。

そこで、国際的な研究チームは、高齢者(70-77歳)の死亡率に対する、5年間のコーチ付き運動トレーニングの効果を、国が推奨する身体活動と比較した。

本研究には、ノルウェーのトロンハイムに住む平均年齢73歳の1,567人の参加者(女性790人と男性777人)が参加した。合計で、参加者の87.5%が全体的な健康を報告し、80%が試験開始時に中または高レベルの身体活動を報告した。

1,567人の参加者のうち、400人が高強度インターバルトレーニング(HIIT)の週2回のセッションに割り当てられ、387人が中強度の継続的トレーニング(MICT)に割り当てられ、780人がノルウェーの身体活動ガイドライン(対照群)に従うように割り当てられて、5年間の介入試験が実施された。

5年後、全体の死亡率は4.6%(72人)だった。研究チームは、対照群(4.7%、37人)とHIITとMICTを組み合わせた群(4.5%、35人)の間ですべての原因による死亡率に差がないことを発見した。

また、対照群とHIITとMICTを組み合わせた群の間で心血管疾患やがんの発症リスクに違いは見られなかったという。たとえば、5年後の心血管疾患の参加者の合計割合は15.6%であり、対照群では16%(125人)、MICT群では15%(58人)、HIIT群では15.3%(61人)だった。

研究チームは、いくつかの制限を指摘している。たとえば、対照群の非常に活動的な参加者は、群間の違いを見つけるのを妨げた可能性があり、多くの参加者は、研究の開始時に予想された以上に健康であったため、活動レベルをさらに高める可能性が制限された可能性があるという。

「本研究は、MICTとHIITを組み合わせた群が、推奨される身体活動レベルに比べてすべての原因による死亡率に効果がないことを示唆している。けれども、我々はHIIT群で、対照群とMICT群よりも低い死亡率を観察した」と研究チームは結論付けている。

出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)      
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