2020.10.9
, EurekAlert より:
ゼブラフィッシュモデルを使用して、米国ノースカロライナ州立大学の研究チームは、成長初期のビタミンD欠乏が、成長と脂肪蓄積の間の代謝バランスを乱す可能性があることを発見したという。結果は、ビタミンDと代謝恒常性または平衡との関連を示唆するものである。
セス・クルマン教授率いる研究チームは、ビタミンD欠乏、ビタミンD強化および対照の3つのエサのうちの1つで飼育した幼若後のゼブラフィッシュのグループを調べた。ゼブラフィッシュは特定のエサで4か月飼育され、その後、研究チームは成長、骨密度、トリグリセリド、脂質、コレステロール、ビタミンDのレベルを調べた。また、脂肪の生成、貯蔵、動員、成長促進に関連する重要な代謝経路についても検討した。
その結果、ビタミンD欠乏群のゼブラフィッシュは、平均して他の2つの群よりも50%小さく、脂肪の蓄積が有意に多かったという。
「ビタミンD欠乏のゼブラフィッシュは、肥大と過形成の両方を示し、脂肪細胞のサイズと数の両方が増加した」とクルマン教授は言う。「彼らはまた、心臓代謝性疾患につながる可能性のある代謝不均衡の特徴である、より高いトリグリセリドとコレステロールを示した。これは、発育不全と相まって、ビタミンDがエネルギーを脂肪貯蔵ではなく成長に導く能力において重要な役割を果たしていることを示している。」
最初の実験後、ビタミンD欠乏ゼブラフィッシュに、ビタミンDを豊富に含むエサをさらに6か月間与えて、結果が逆転するかどうかを確認した。魚は成長を続け、脂肪の蓄えを利用し始めたが、他の群に追いつくことはなく、依然として脂肪を保持していたという。
「この研究は、ビタミンD欠乏が成長と脂肪蓄積の間の正常なバランスを乱すことによって代謝の健康に影響を与える可能性があることを示している」とクルマン教授は語っている。「なぜか成長に向かうはずのエネルギーが脂肪の生成に移行しており、これを簡単に元に戻すことはできないようだ。そのメカニズムはまだ理解されていないが、私たちは明らかにし始めている。」
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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