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[高齢者]  日本は高齢者ほど自尊心が高まる
2020.10.8 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

日本の成人は年齢の高い人ほど自尊心が高い傾向のあることが明らかに。中年期以降に自尊心が低下してしまう欧米とは対照的だ。日本人は若いころから謙虚であることがその要因かもしれないという。東京理科大学などの研究。

自尊心(自分自身に対する全体的な評価)は年齢を重ねるごとに変化する。米国を中心に実施された自尊心に関する多くの研究では、自尊心は小児期に高く、青年期に低下するが、その後成人期を通して向上し続け、50-60歳代にピークに達し、その後低下することを示している。

自尊心は自己好意(自分自身を受け入れられるという感情的判断)と自己有能感(自分自身が有能で効力があると認められる感覚)の2つの側面で構成されている。日本の先行研究では、自尊心の片方の側面である自己好意について、上記の米国などの研究結果と同様の軌跡をたどることが報告されていたが、自尊心の両方の側面を含めた年齢差は検討されていなかった。また、70歳以上の高齢者の自尊心についても十分には検討されていなかったという。

そこで、東京理科大学の荻原祐二助教と京都大学大学院の楠見孝教授は、対象者の範囲を拡げ、70歳以上の高齢者も含めて自己好意と自己有能感の両方を含めた自尊心の年齢差について包括的に検討することとした。

方法としては、2009-2018年に日本での大規模かつ多様なサンプルを対象に実施された6つのWebベースの調査を分析した。対象者は16-88歳の6113人(男性2996人・女性3117人)であった。それぞれの調査には、自尊心を測定するために一般的に使用される自尊心尺度(10項目)が用いられていた。この尺度には、「自分自身に全体的に満足している」などの自己好意の測定項目や、「自分には長所がたくさんあると感じている」などの自己有能感の測定項目が含まれていた。対象者は、「1:該当なし」から「5:該当あり」までの5段階で各項目を採点した。

結果、自尊心は青年期では低いが、成人期から高齢期にかけて徐々に向上することを示していた。青年期から中年期への変化は、欧米での以前の研究結果と一致していたものの、以前の研究で観察されたものとは異なり、50歳代以降の自尊心の低下はみられなかった。そのため、本研究は、自尊心の発達の軌跡が文化によって異なる可能性があることを示唆している。

「これまでの研究では、欧米での中年期以降の自尊心の低下の原因の1つは、高齢者が自分の限界や欠点を受け入れるようになり、自分自身をより謙虚で、慎み深く、バランスの取れた見方をするようになるためだと主張しています。一方で、日本の人々は中年になる前から自分のことを謙虚に見ているという報告があります。これが、この研究で自尊心が低下していない理由かもしれません」と荻原助教は示唆している。年功序列や年長者を敬う文化など、文化の違いを生み出す可能性のあるその他の要因については、さらに詳細な調査が必要だ。

この研究は、最も基本的な心理的傾向の1つである自尊心の年齢差を解明した。荻原助教らは、これらの発見がさまざまな分野の学術研究だけでなく、予防や介入を含む臨床・一般診療にも広く貢献することを望んでいる。「たとえば、自尊心が低くなる傾向がある時期を理解することは、効果的な予防策をとることがいっそう必要となる時期を判断するのに役立ち、タイムリーな介入と対応を可能にします」。

出典は『公衆衛生の最前線』。 (論文要旨)      
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