2020.10.2
, EurekAlert より:
重度飲酒は、中程度飲酒と比較して、認知症リスクを1.2倍高め、アルコール誘発性失神は、飲酒量に関係なく認知症リスクを2倍高めるようだ、という英国ユニバーシティカレッジロンドンなどからの研究報告。
研究チームは、131,415人(平均年齢43.0歳、61.1%が女性)の参加者を含む、英国、フランス、スウェーデン、およびフィンランド(IPD-Workコンソーシアム)からの7つのコホート研究を調査した。ベースライン(1986-2012)では、参加者は18-77歳で、飲酒が報告されており、認知症と診断されていなかった。認知症検査は、平均14。4年(範囲、12.3-30.1)の追跡期間中に実施された。データ分析は、2019年11月17日から2020年5月23日までに実施された。
追跡期間中に、1,081人が認知症を発症した。潜在的な交絡因子を調整後、1週間に14単位以上のアルコールを摂取した人は、1-14単位を摂取した人に比べて、認知症を発症するリスク(ハザード比)は1.16だった。1週間に21単位以上のアルコールを摂取した人は、1-21単位を摂取した人に比べて、リスク(ハザード比)は1.22だった。
アルコール誘発性失神についてのデータがある96,591人中、過去12カ月間にアルコール誘発性失神を経験したのは10,004人だった。アルコール誘発性失神を経験した男性は、そうでない男性に比べて、認知症のリスク(ハザード比)は、2.86、女性の場合は2.09だった。開始から10年の追跡期間を除くとハザード比は1.86だった。
アルコール誘発性失神のない中程度(週1-14単位)の飲酒者を対照とした場合、アルコール誘発性失神のある人は、中程度飲酒者の場合でハザード比は2.19、重度飲酒者の場合で2.36だった。
「この研究の結果は、全体的なアルコール消費量に関係なく、アルコール誘発性の意識喪失がその後の認知症のリスクの増加と関連していることを示唆している」と研究チームは結論付けた。
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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