2020.9.23
, EurekAlert より:
カロリー制限ダイエットの健康効果のおいて、体温低下が重要な役割を担っているようだ、という米国スクリップス研究所からの研究報告。
研究チームは、カロリー制限したマウスを、22℃または30℃の気温環境下で飼育した。暖かな環境は、マウスに「熱中性」と呼ばれる容易に体温低下を起こさない状態を引き起こす。
そして、独自の活性メタボロミクスという技術を駆使して、マウスの全代謝産物を同定することによって、栄養状態や体温の低下によって変化する分子を探した。
「我々が収集したデータは、カロリー制限中の代謝には、体温が栄養と同等かそれ以上に影響することを示していた」と研究チームは述べている。チームは、体温の低下によって変化する代謝産物の最初の包括的なプロファイリングを提供した。
さらに研究チームは、異なる温度下で飼育したマウスのメタボロミクスを比較することによって、どの代謝産物が深部体温の変化に最も寄与しているかを明らかにしたという。
別の実験によって、特定の代謝産物を投与することで体温に影響を及ぼすことが可能であることも示したという。
研究チームは、体温を低下させることなく、カロリー制限と同じ効果をもたらす「温度模倣薬」が、将来的な薬物開発の目標になるだろう、としている。
出典は『サイエンス・シグナリング』。 (論文要旨)
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