2020.9.17
, EurekAlert より:
週に8ドリンク以上のアルコール飲料を摂取する2型糖尿病の成人患者は、高血圧のリスクが上昇するようだ、という米国ウェイクフォレスト大学からの研究報告。1ドリンクはビール355mlまたはワイン177mlに相当する。
研究チームは、「糖尿病における心血管リスク制御のための行動(ACCORD)」臨床試験の参加者で、1万人以上の2型糖尿病患者(平均年齢63歳、61%が男性)を対象に、アルコール摂取と血圧の関連を検証した。この臨床試験は、2001-2005から米国とカナダの77センターによって実施されているこの種のものとしては最大級の長期臨床試験である。
アルコール摂取量は、飲まない、軽度(週1-7ドリンク)、中度(週8-14ドリンク)、重度(週15ドリンク以上)に分けられた。1ドリンクはビールなら12オンス(355ml)、ワインなら6オンス(177ml)、リキュールなら1.5オンス(44ml)に相当する。摂取量は、自己申告とした。
血圧上昇は、120-129/80 mmHgが「上昇」、130-139/80-89 mmHgが「ステージ1高血圧」、140/90 mmHg以上を「ステージ2高血圧」とした。
解析の結果、軽度のアルコール摂取は、血圧の上昇と関連しなかった。けれども、中度のアルコール摂取は、血圧上昇、ステージ1、ステージ2のリスクの各々79%、66%、62%の増加と関連がみられた。さらに、重度のアルコール摂取は、血圧上昇、ステージ1、ステージ2のリスクの各々91%、149%、204%の増加と関連がみられたという。
「中度から重度のアルコール摂取は、2型糖尿病患者の高血圧リスクの高いオッズと独立に関連しているようだ。2型糖尿病患者で、特に血圧コントロールに問題がある場合は、アルコール摂取の抑制など生活習慣の変更を検討すべきかもしれない」と主任研究者のマシュー・シングルトン医師はコメントしている。
出典は『米国心臓学会雑誌』。 (論文要旨)
|