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[その他]  COVID-19により米国のメンタルヘルスケアのリモート診療が12倍に増加
2020.9.16 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

COVID-19パンデミックによって、全米の非常に多くの心理士たちがメンタルヘルスケアのリモート診療を提供するようになった、というバージニアコモンウェルス大学からの研究報告。

全米の認定心理士2,619人を対象としたこの研究で、パンデミックが始まって以来、テレサイコロジー(遠隔心理支援サービス)が12倍に増加したことが明らかになった。

パンデミック以前の心理士たちは臨床の7.07%でテレサイコロジーを活用していたが、パンデミックのさなか、その数は85.53%にまで急上昇した。また、心理士の67.32%が、すべての臨床業務をテレサイコロジーに移行していた。

「どれほど迅速にテレサイコロジーが採用されたかを見て、衝撃を受けた。」と、筆頭著者のブラッド・ピアス氏は話す。「7%から85%への増加は、非常に短期間で多大な労力が費やされたことを示している。長年の障壁を特定し、取り除くために、コミュニティでの協調した努力が注がれた。心理士たちは遠隔治療、テレサイコロジーを促進するためにトレーニングを行い、必要な設備を購入し、さらにあらゆる段階での方針転換が行われた。」

ピアス氏は、障害や慢性的な健康問題を抱えるグループが直面している心理学的サービスの障壁を明らかにして取り除くことを目的としているバージニアコモンウェルス大学の生涯と健康における社会正義研究所の一員である。その研究の一環として、研究所ではテレサイコロジーの普及と、ヘルスケアの格差対応への可能性について検討してきた。

「COVID-19により身体的距離の必要性が浮上してきたとき、私はメンタルヘルスケア部門のコミュニティの対応を誇りに感じた。」とピアス氏は語る。「人々はなお心理的なケアを必要とし、ヘルスケアコミュニティは腕まくりをして対応に取り掛かった。我々のチームは、この分野で革命が起こっていることを認識し、変化についての洞察を得たいと考えた。」

研究は、パンデミックが収束した後、多くの心理士たちが患者を遠隔で治療し続けると予想していることを明らかにした。この研究によると、心理士たちは臨床業務の34.96%を引き続きテレサイコロジーで実施することを予定しているという。

「この傾向が、心理学が医療提供者と患者の両方のニーズに適応できるフィールドであると示していることを期待している」と共著者である中部大西洋精神疾患研究教育臨床センターのグレース・マッキー博士は述べる。「もちろんパンデミック中のテレサイコロジーの第一波は必要に迫られてのものであったが、我々の研究結果は、来院が安全となった後もなお、テレサイコロジーを提供することは利益があることを示唆している。」

マッキー氏は、テレサイコロジーは医療提供者と患者の双方にとって便利である可能性があるという。特に、経済的、または移動手段の制約がある人や仕事のスケジュールとの折り合いがつかない人、子どもや家族の世話をする立場にある人や、病気や障害のため可動性に問題がある人など、来院が困難な人々にとって利便性が高い。

しかし同時に、患者の中にはネットワークへのアクセスができない場合や、テレサイコロジーに必要な、プライベートで安全な空間を利用できない人もいるために、心理士と患者の両者において、対面での診療を好む人も多くいるだろう、ともマッキー氏は話す。

「対面での診療とテレサイコロジーの両方のサービスを提供する柔軟性が、患者のニーズに答え、心理学的サービスをより利用しやすくするために重要である」とマッキー氏は述べる。

この研究ではテレサイコロジーへの移行が確認されたが、その傾向は専門領域により違いがあった。

外来診療施設で働く心理士では特に増加が顕著であり、パンデミックの中でテレサイコロジーの利用が26倍以上になった。この一方、退役軍人省病院で働く心理士の間では、パンデミック以前から高い割合でテレサイコロジーが導入されていたことから、パンデミック中の増加は7倍にとどまった。

テレサイコロジーの採用の大幅な増加は、女性、テレサイコロジーのトレーニングにアクセスし組織の方針に協力的な心理士、そして対人問題、不安、女性特有の問題に特化した領域で働く心理士でみられた。

「歴史的に、女性は育児に大幅な時間を費やす傾向がある。子どもを持つ女性心理士は、特に多くの学校や保育所が閉まっている時に家庭での育児を続けていくために、より高い割合でテレサイコロジーを必要としていたと考えている。」とマッキー氏は話す。「対照的に、男性は、特に育児ができるパートナーがいた場合、ある程度対面での診療業務を続けていくことができたのだろう。」

テレサイコロジーは、農村地域で働く心理士や反社会性パーソナリティ障害の治療、検査やリハビリテーションに特化した場で働く心理士において増加幅が小さかった。

著者の一人、ポール・ペリン博士は、「COVID-19パンデミックの中、メンタルヘルスケアの提供において、我々の目の前で文字通りの革命が起こっている。」と述べている。

「現代史における他のどの出来事も、心理学的サービスに関わる状況をこれほどまでに大きくは変えたことはない。」とペリン氏は話す。「長年に渡って謳われてきたテレサイコロジー活用に関する障壁の多くは、今や劇的に減少し、あるいは完全に取り除かれている。テクノロジーをベースとしたメンタルヘルス治療の前例にない展開が見られている。心理学の分野は、パンデミックによる需要と米国全体で明らかにされているメンタルヘルスのニーズに適応するため最大限の労力を傾けている。」

ペリン氏は、この研究の重要な限界点の1つについて言及している:研究結果はテレサイコロジーの急速で広範な普及を反映しているが、この変化が患者、特にヘルスケアの格差を経験している集団に属する人々のニーズをどの程度満たしているかは明らかにしていない。

「伝統的なメンタルヘルスケアではしばしば取り残されている人々に、科学的根拠に基づいた医療をもたらすという観点から、さらに多くのことを行う必要があるだろう。」とペリン氏は話す。「テレサイコロジーの実践は、患者のテクノロジー、インターネットまたは電話へのアクセス、さらには支払い手段へのアクセスなど、多くのことを前提としている。テレサイコロジーはパンデミックの中で明らかにされたいくつかのメンタルヘルスのニーズに適応する可能性があるが、その活用にはなお、解決する必要がある多くの制限と障壁がある。」

出典は『米国の心理学者』。 (論文要旨)      
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