2020.9.11
, EurekAlert より:
最近イライラしてしまいがち、という人は睡眠不足なのかも?ストレス要因に対し、充分な睡眠をとった人に比べて睡眠不足の人は怒りの反応が高く、増幅しやすいことがわかった。米イリノイ大学の研究。
この研究では、まず大学生202名を対象とし、1か月間の睡眠・ストレス要因・怒りの状態についての記録をしてもらうとともに実験室の分析をする予備実験を行った。すると、通常より睡眠不足だった翌日に怒りを経験する傾向が示された。
次に、147人の地域住民を対象に実験を行った。まず参加者は、通常の睡眠スケジュールを維持するか、自宅での睡眠を2晩で約5時間減らすかのいずれかに無作為に割り当てられ、実験室で刺激性の騒音にさらされている間の怒りを評価した。
すると、十分な睡眠をとった人は騒音に順応し、怒りが少なくなった一方、睡眠不足の人は騒音に反応して怒りが高くなり、増幅した。これらのことから、睡眠不足ではイライラする状況への感情的な適応が損なわれることが示唆された。主観的な眠気は、怒りに対する睡眠不足の影響のほとんどと比例していた。また、オンラインの競争ゲームの後の怒りの感情について調べた関連実験でも、同様の結果となった。
「睡眠不足は怒りを増大させ、時間とともに欲求不満を増大させるという強い因果関係の証拠を提供するため、この結果は重要です。さらに、毎日の睡眠等の記録を用いた研究の結果は、若者が睡眠不足の午後に怒りがより多くみられたため、その影響が日常生活につながることを示唆しています」
著者らは、この調査結果は、睡眠障害において、怒りやその加減などの特定の感情的反応を考慮することの重要性を強調していると指摘している。
出典は『睡眠』。 (論文要旨)
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