2020.9.10
, EurekAlert より: 
シンプルなコーヒーと短時間の仮眠、このありそうもない組み合わせが目覚めた後のふらつきを解消し、夜勤時の注意力の維持に役立つようだ、という南オーストラリア大学からの研究報告。
オーストラリアでは140万人以上がシフトワークに従事しており、20万人以上が定期的に夕方から夜間のシフトで働いている。
南オーストラリア大学のステファニー・セントファンティ博士は、この研究結果が、多くのシフトワーカーが経験する睡眠慣性を打ち消すのに役立つ可能性があると話す。
「シフトワーカーは規則的な睡眠パターンが乱され、慢性的に睡眠不足になっていることが多い」とセントファンティ博士は言う。
「その結果、シフトワーカーたちは夜勤中の注意力を高めようと様々な戦略を用いる。これらには仮眠をとることやコーヒーを飲むことが含まれるが、これらはいずれもマイナス面を持つことを理解しておく必要がある。」
「多くのシフトワーカーたちはひどく疲れており、夜勤中にうたた寝をする。しかしこれによるデメリットは、彼らが睡眠慣性、つまり目覚めた直後のフラフラとした状態に陥ることだ。睡眠慣性は、仮眠の最大1時間後までのパフォーマンスと気分を損なう可能性がある。」
「カフェインも、多くの人が目覚ましと注意力の喚起のために利用している。しかしこれもまた、コーヒーを飲みすぎてしまった場合、全般的な睡眠と健康に害をおよぼす可能性がある。また、もしコーヒーを仮眠後にしっかりと起きるために利用した場合、作用までには20〜30分ほどを要するので、期待する効果が得られるまでには時間がかかる。」
「一方、カフェインナップ (カフ・ナップ) は、シフトワーカーにとって有効な代替手段となる可能性がある。これはシフトワーカーが仮眠をとる前にコーヒーを飲むことにより、20〜30分ほどの仮眠の効果を得たうえで、目覚めるときにはカフェインの恩恵を受けることができるというものだ。これは、双方にとって好都合である。」
セントファンティ氏らの研究グループは、午前3時30分からの30分間の仮眠の前に200 mgのカフェインを参加者に摂取させ、プラセボを摂取した群と比較する小規模なパイロット研究を行った。
「カフェインナップ」をとった参加者はパフォーマンスと覚醒度の両方で著しい改善を示し、カフェインナップが睡眠によるふらつき感を打ち消す可能性が示唆された。
セントファンティ博士は、これがシフトワーカーの疲労対策として有望であることを示していると話す。博士は、より多くの人々での検討を次の研究として見据えている。
出典は『寿命学インターナショナル』。 (論文要旨)
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