2020.9.9
, EurekAlert より:
腸細胞での過剰なフルクトース(果糖)代謝が腸バリアを維持するたんぱく質の産生を減少させるようだ、という米国カリフォルニア大学のマウスを用いた動物実験の結果報告。
フルクトースの過剰摂取は、脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎のリスクを高めるが、そのメカニズムは明らかではなかった。
フルクトースは、肝臓と腸で産生されるフルクトキナーゼという酵素によって代謝されるが、過剰のフルクトースがあると、腸において腸バリアを維持するたんぱく質の生産を減少させることが明らかになったという。腸バリアは、密に詰まった上皮細胞で粘膜を覆い、細菌やエンドトキシンなどの細菌生成物が血液中で流出することを防いでいる。
「したがって、過剰のフルクトース摂取は、エンドトキセミアと呼ばれる慢性炎症状態を作り出す」と研究者は説明する。
研究チームは、これによって流出したエンドトキシンが肝臓に到達し、炎症性サイトカインの生産を刺激するとともに、肝臓におけるフルクトースとグルコースからの脂肪酸生産・沈着を引き起こすことを発見した。
出典は『ネイチャー代謝』。 (論文要旨)
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