2020.9.8
, EurekAlert より:
「全粒粉入り」と書かれた食品には、全粒粉がごく少量しか含まれていないものもあるが、消費者の約半数は実際より多く配合されていると思い込んでいるという。多くの人が健康的な全粒紛製品を正しく識別できていないことが明らかになった。米タフツ大学の研究。
今回の調査では1,030人の成人を対象に、架空の製品と実在の製品の両方の写真を見てもらった。製品パッケージにはさまざまなデザインの「全粒」の表記がされているほか、各製品の栄養成分表示・原材料表示がされていた。参加者には、架空の製品の写真を見せた場合にはより健康的と思われる製品を選択してもらい、実在する製品の写真の場合には全粒穀物の含有量を見積もってもらった。
その結果、架空の製品については、回答者の29〜47%が誤って回答していた。(具体的な誤答率は、シリアル31%、クラッカー29〜37%、パン47%)。
ほとんど全粒紛が入っていない実在の製品の場合、回答者の43〜51%が全粒紛の含有量を過大評価していた。(具体的な誤答率は雑穀入りクラッカー41%、ハニーウィート・ブレッド43%、十二穀ブレッドは51%) 。一方で、実際に全粒紛を主原料としていたオート麦シリアル製品については、全粒紛含有量を正確に回答した人が多かった。
「私たちの調査結果によると、多くの消費者は全粒紛の量を正確に識別できなかったり、より健康的な全粒紛製品を選択できないようです。食品メーカーは、たとえ全粒粉が入っていなくても、入っているとあなたを信じ込ませるための多くの方法を知っています。雑穀入りと表示したり、茶色に着色したりするわけです。それらの見た目は本当の全粒粉含有量を示しているとは限らないのです」と筆頭著者のワイルド教授。
本調査の目的は、消費者によるラベルの誤解が全粒紛製品に対する米国の食品表示の規制強化に関する法的基準を満たしているかどうかを評価することだった。今回の結果から、全粒粉製品の表示は消費者の誤解を招くことが明らかになったため、全粒粉の配合割合の表示を義務化すべき、などと研究者は述べている。
出典は『公衆衛生栄養』。 (論文要旨)
|