2020.9.4
, EurekAlert より:
「1日5個の野菜と果物を食べよう」といった一般的な公衆衛生メッセージは、ターゲットを絞った個別具体的なアドバイスやガイダンスよりも食生活の改善に効果的かもしれない、という英国バース大学などからの研究報告。
健康経済学の研究チームは、低所得の300人の対象者の食事選択に及ぼす種々の公衆衛生情報の影響を検討した。
実験では、各人に予算を割り当てた買い物かごでアイテムを選択するように依頼された参加者は、その際、個人に合わせた非常に具体的な情報を受け取るか、一般的な健康情報を受け取るか、あるいは全く情報を受け取らなかった。
個人に合わせた具体的な情報とは、糖尿病や心臓病の発症リスクに関する理解し易い情報と、リスクを最小限におさえるための分かり易い食事と健康に関する推奨事項であった。
その結果、一般的な健康情報を受け取った参加者は、情報を与えられなかった参加者に比べて、食品カゴ中の食品が、平均して20%総脂肪・飽和脂肪が少なく、不健康な食品も34%少なかったという。
個別具体的な健康情報を与えられた参加者は、情報を与えられなかった参加者と比べて、食品カゴのアイテムに有意差がみられなかった。これは、テーラーメードの情報を受け取った参加者の大部分が、実際には自分の健康について自分で想像していたよりも良いニュースだったからだろうと、研究者らは考察している。そのために、テーラーメードの情報は、参加者に現在の(不健康な)食事選択を続けるフリーパスを与えたようになり、効果がみられなかったのではないか、ということである。
出典は『欧州経済学レビュー』。 (論文要旨)
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