2020.9.2
, EurekAlert より:
若年期から中年期にかけて体重が減少することと、早期死亡のリスクが低下することには関連がみられるようだ、という米国ボストン大学公衆衛生学校からの研究報告。
研究チームは、米国の国民健康・栄養調査(NHANES)の1999年から2015年までの24,205名のデータを解析した。参加者の研究開始時の年齢は40-74歳で、データには、参加者が25歳の時と研究開始時のBMIが含まれていた。
BMIの年齢による変化と死亡リスクの関係を、性別、喫煙の有無、学歴など関連因子を調整して解析した。
その結果、25歳の時に「肥満」(BMIが30以上)していたが、中年期には「過体重」(BMIが25-30未満)に減量した者は、ずっと「肥満」だった者に比べて、早期死亡リスクが54%低いことが明らかになったという。「過体重」に減量した者の死亡リスクは、ずっと「過体重」だった者のそれに極めて近かった。
研究チームでは、25歳の時に「肥満」だった者の全員が、「過体重」に減量していれば、総死亡の3.2%を避けることができただろうと推定している。だが、実際には、「肥満」から「過体重」に減少した者は、全「肥満」者の0.8%に過ぎなかった。
研究チームはまた、より後年に体重を減らしたものには死亡リスクの低下はみられなかったとしている。おそらく、高齢者の体重低下は加齢に伴う健康悪化と強く結びついているためだろう、と研究チームでは考察している。
「本研究は早死リスクに焦点を当てたが、健康な体重を維持することで、高血圧、糖尿病、心臓病、さらにはがんなどの多くの慢性疾患の負担も軽減される」と共同研究者のジョアン・マンソン教授はコメントしている。
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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