2020.9.1
, EurekAlert より:
ビタミンCの摂取量の多さ、また血中濃度の高い人は高い骨格筋量を維持していることが明らかに。英イーストアングリア大学が中高年を対象に行った研究。
たっぷりとビタミンCを摂取する中高年は骨格筋量がベストの状態になっている、という。ビタミンCは柑橘類やベリー類、野菜などに豊富に含まれる栄養素だ。
加齢につれて骨格筋量が減少し、サルコペニア(筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下した状態)やフレイル、QOLの低下がみられることから、今回の結果は重要なものといえる。
研究主任でイーストアングリア大学のウェルチ教授は次のように話している。
「歳を重ねると、骨格筋量や筋力が低下します。50歳を過ぎると、1年ごとに1%ずつ骨格筋量が減少し、この損失は世界中で5千万人以上に影響すると考えられています。フレイルやサルコペニア、身体障害、2型糖尿病、QOLの低下、死亡などの残念な結果を招きかねないことから、大きな問題といえます」
「ビタミンCの摂取が骨格筋量と関連していることはわかっています。潜在的に有害なフリーラジカルから体を構成する細胞や組織を守るのに役立つためです。これらのフリーラジカルは筋肉を失わせ、加齢による衰えを加速させます」
これまで、高齢者にとってのビタミンC摂取の重要性を調査した研究はほとんどなかったことから、教授らは、摂取量の多い人とそうでない人の筋肉量を比較することにしたという。
今回、ノーフォーク研究と呼ばれる調査に参加している人の中から42-82歳の男女13,000人あまりを対象に骨格筋量を計算、またビタミンC摂取量を7日間の食事記録より分析したほか、血中ビタミン濃度についても調べた。
結果、食事および血中ビタミンCの多かった人々は少なかった人々に比べて、推定される骨格筋量が多いことがわかった。ビタミンCの摂取は中高年の筋肉の健康状態に重要であり、加齢に伴う筋肉減少を防ぐのに役立つ可能性が示唆された。
なお、今回の調査でビタミンCの供給源として最も多く挙げられたのは、果物、ついで野菜であり、他にはジュース類、いも類が目立ったという。
出典は『栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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