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[病気]  コメを主体とした食事のヒ素摂取が世界的な死亡率上昇に関連している?
2020.8.27 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

世界で広く食べられている主食源であるコメは、長期にわたる低レベルのヒ素摂取に寄与しており年間数千の回避可能な早期死亡に関与しているようだ、というマンチェスター大学からの報告。

ヒ素は急性毒性を持つとともに、比較的低い濃度で長期間摂取し続けるとがんや心血管疾患などの健康障害に寄与する。

他の主食源と比較して、コメは高濃度の無機ヒ素を含む傾向にある。世界中で、30億を超える人々がコメを主な主食源として摂取しており、米に含まれる無機ヒ素は年間5万以上の回避可能な早期死亡につながっていると推定される。

マンチェスター大学とサルフォード大学の共同研究グループは、イングランドとウェールズで、コメの摂取とヒ素摂取による心血管疾患との関連を探索した新たな研究を報告した。

彼らの報告によると、心血管疾患に寄与する主要な因子 (肥満、喫煙、年齢、収入、教育歴など) を調整した結果、コメ中の無機ヒ素摂取と心血管疾患による死亡率上昇に有意な関連が認められたという。

マンチェスター大学のデビット・ポリア教授は話す。「この研究は生態学的研究であり、多くの限界点があるが、無機ヒ素を含むコメの摂取増加と心血管疾患のリスク上昇との関連性を知る比較的コストの低い手法である。我々の研究結果は、イングランドとウェールズで最も多くのコメを摂取する25%の集団は、最も摂取量の少ない25%の集団と比較して、無機ヒ素の摂取による心血管疾患による死亡率リスクが高いようだ、ということを示唆している。モデルにより評価したリスクの上昇は6% (信頼区間2%から11%) であった。リスク上昇は、比較的コメ摂取量の多いイングランドとウェールズのコミュニティの感受性、行動、治療の特性を部分的に反映している可能性がある。」

コメは食物繊維含有量が多いなどの利点があり、研究者らは、コメを食べるのを避けるのではなく、バスマティなど様々な種類のコメや、無精製よりも精白米など、一般的にヒ素含有量が少ないことが知られているコメを選択することを推奨している。また、コメばかりを主食とするのではなく、様々な主食源をバランス良く取り入れることも勧めている。

出典は『トータル環境科学』。 (論文要旨)      
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