2020.8.26
, EurekAlert より:
人気のプラットフォーム、TwitterとInstagramにおいて、COVID-19関連の偽造製品や未承認の治療薬についての何千もの投稿があることが明らかになった。カリフォルニア大学サンディエゴ校からの報告。
SARS-CoV-2の流行のさなか、ソーシャルメディアプラットフォームはヘルスケア有識者や政府機関からのCOVID-19蔓延を防ぐ方法を伝える上で重要な役割を果たしてきた。しかし、ウイルスに関する新しく正確な情報が利用できるようになってきた一方で、違法または未承認の検査キットや評価が行われていない治療法などの偽造健康製品も同様に見られるようになっている。
「我々はオピオイド危機からこの研究を開始し、違法な麻薬の売人を見つけるために長年に渡って研究を続けてきた。」カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の准教授で研究の筆頭著者であるティモシー・マッケイ博士は話す。「現在、我々はこの研究の技術のいくつかを利用して、COVID-19関連の偽造製品の販売を特定している。2020年3月から5月にかけて、我々はCOVID-19関連の偽造健康製品、金融詐欺、およびその他の消費者のリスクに関連していると思われる2,000近くの投稿を特定した。」
マッケイ氏によれば、詐欺的な投稿には根拠のない予防や治療効果の宣伝文句と、偽造された検査キットの2つの波があるという。またマッケイ氏は、第3の波として偽物の医薬品の波が形になりつつあり、公衆衛生当局が効果的なワクチンや治療法の開発を公表したとき、この波は悪化するだろうと述べている。
研究者らは、自然言語処理と機械学習を組み合わせて、疑わしい投稿を特定した。トピックモデルのクラスターが詐欺的な投稿を特定するためのディープラーニングのアルゴリズムに転送された。結果は公衆衛生の有識者が世界保健機関や米国食品医薬品局などの当局への報告に利用できるよう、データダッシュボードに出力された。
「我々はポスト・デジタル時代にある。デジタル定着の動きが続くなか、我々は、犯罪者たちが危機的な状況下で救いを求める人々を利用して、さらに多くの詐欺的な投稿が消費者を標的とするのを目にすることになるだろう。」
マッケイ氏は詐欺的な投稿の特定に役立つ3つの重要なヒントを提示している。
1. それが真実であるには良すぎると感じるもの。大量または急速な売れ行き、安価な価格設定、さらにFDAの承認済み、特定の認証取得などの疑わしい宣伝文句に注意すること。 2. 他国からの輸入製品。あなたが米国の消費者であるならば、他の国から輸入されたCOVID-19検査キットなどの製品はおそらく違法製品である。このような製品の購入はリスクが高いと考えること。 3. 違法な連絡手段。もし販売者が、ソーシャルメディアのダイレクトメッセージや、Skype、WhatsAppなどの伝統的な連絡手段とは異なる方法でビジネスや取引を行っている場合、それはおそらく正当ではない。
「COVID-19感染の不安がある人や検査を受けることを希望する人は、安全に検査や治療にアクセスするために、まずはかかりつけ医または地域の公衆衛生局と連携し、疑わしいと感じたら連邦当局に報告することを勧める。」とマッケイ氏は話す。
「我々は、この研究結果がソーシャルメディアユーザーにとって良い情報となり、詐欺的な投稿と正しい情報をよりうまく判別できるようになることを望んでいる。我々は、最終的にソーシャルメディアのツールとポリシーの改善に繋がり、その力が善のために使われるようになることをこの研究のゴールと見据えている。」
出典は『医療インターネット研究雑誌』。 (論文要旨)
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