2020.8.24
, EurekAlert より:
理想的な心血管の状態をキープするための7つの生活習慣は、眼の疾患リスクの低さとも関連することが明らかに。特に糖尿病性網膜症ではその傾向が顕著だったという。米テキサス工科大学の研究。
世界中で約22億人もの人が視覚障害や失明につながる眼の疾患に苦しんでいるが、これらの約半分は予防できたものと考えられる。視覚障害または失明の主な原因は、加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、白内障、および緑内障となっている。
「以前の研究では、眼の疾患と喫煙、肥満、高血圧などの個々の生活習慣因子との関連が観察されています」と主任研究者のアピア博士は説明している。「これらの心血管状態の指標は単独では機能せず、加算的に相互作用して疾患を引き起こす可能性があることが知られています。しかしながら、いままでこれらの指標全てと眼の疾患・心血管の状態を包括的に評価した研究はありませんでした」とテキサス工科大学のアピア博士。
ほとんどの眼の疾患は初期にはほとんど無症状で、多くの人々は容易に利用可能な治療にもかかわらず受診していない可能性がある。ジョンズホプキンス大学が実施した米国のすべての人種・民族グループからなる最近のオンライン全国調査では、回答者2,044人の88%が、眼の健康が全体的な健康に不可欠であると考えており、47%の人が失明について最悪の状態だと考えていることが分かった。驚いたことに、25%は眼疾患とその危険因子についての知識を持っていなかった。
この研究は、ライフスタイル・シンプルセブン(LS7)として知られる米国心臓協会の健康指標を順守する、健康的な生活習慣はすべて、良好な心血管の健康に貢献できることを示している。LS7の内容は禁煙、定期的な身体活動、健康的な食事、標準体重の維持、コレステロール・血圧・血糖値の適正管理となっている。
今回、LS7の順守度をスコア化して、2005-2008年の米国全国健康・栄養調査に参加した40歳以上の成人6,118人のデータを評価した。すると、スコアの高さと加齢黄斑変性症、糖尿病性網膜症、白内障、および緑内障の可能性の低さとの関連が判明した。特に糖尿病性網膜症のでは、スコアの最も高かった人々は低かった人々と比較して罹る確率が97%低くなっていた。
「全体として、眼疾患および心血管疾患による全死亡の半分以上が予防可能であることが知られていることを考えると、眼疾患の一次予防および早期発見アプローチは重要であると信じています」と共同研究者のクルーズ氏らは話している。
出典は『米国医学雑誌』。 (論文要旨)
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