2020.8.24
, EurekAlert より:
ヒトおよびいくつかの哺乳類の乳汁に含まれるオリゴ糖を含む参照ライブラリのサイズを倍増したという米国・国立標準技術研究所(NIST)からの報告。
乳汁の組成は母親によって異なるが、一般的に母乳には87%の水分と13%の栄養素(脂質、たんぱく質、炭水化物など)が含まれる。近年の研究では、オリゴ糖と呼ばれる炭水化物にしばしば焦点が当てられる。オリゴ糖は乳児の発育にかかせない生物学的効果をもっていることがわかってきている。
「赤ちゃんは固形食を噛んだり飲み込んだりできないので、成長のために母乳に大きく依存する。それは奇跡の化合物である」と研究者は語っている。
2018年の母乳オリゴ糖ライブラリの初期バージョンは74種類のオリゴ糖を含んでいたが、今回80種を追加し、154種類になったという。これらはすべてNIST Standard Reference Material (SRM) 1953という参照母乳に含まれている。
研究チームはまた、ライオン、ウシ、水牛、ヤギなどの検体からも90種類のオリジナルのオリゴ糖を検出した。うち25種は母乳にも含まれている。
この母乳ライブラリは、粉ミルクの製造業者に特に役立つだろう、と筆頭著者のコニー・レモローザはコメントしている。
出典は『分析化学』。 (論文要旨)
|