2020.8.19
, EurekAlert より:
市販の身体活動アプリのソーシャル要素は、身体活動を増加させる可能性を持っているようだ、というフリンダース大学からの研究報告。
アプリ内のコミュニティやソーシャルネットワーキングのプラットフォームで身体活動の結果と進捗状況を共有することは、人々がアプリにより熱心に取り組むことを後押しするようだ。
「投稿をシェアして励ましを受けることは、多くの人が運動プログラムのモチベーションを維持するために必要とされる社会的支援となる。そしてこれは、どの年齢層でも変わらない。」と著者の一人、フリンダース大学のイヴァンカ・プリチャード博士は話す。
研究者らは1,300人近くの成人 (女性88%、18歳から83歳) を対象とした横断研究を行い、対象者の半数以上が市販の身体活動アプリ (Fitbit、Garmin、Strava) を使用していた。この結果、アプリに組み込まれたゲーム性のある刺激と報酬により、競争心のより高い人はアプリにより良く反応し、有意に高いレベルの身体活動を行っていることが明らかになったという。
プリチャード博士は、この結果が、競争に対する意欲を持つ人々が、より身体活動アプリの使用による恩恵を受ける可能性を示唆している、と話す。
「アプリのユーザーは身体活動そのものの楽しさ (内発的動機づけ) と、身体活動の結果に個人的な価値を置くこと (同一化的調整) の両者から動機づけられ、これらの複合的な動機づけの結果が、より多くの身体活動につながっている。」と筆頭著者のジャスミン・ピーターセン氏は話す。
この研究は、身体活動アプリのソーシャル要素は社会的サポートを推進する能力があることから身体活動の促進に特に有効で、人々が身体活動を行うモチベーションと信念に良い影響を与えることを示唆している。
ただし、ソーシャルネットワーキングが直接的な比較に用いられた場合、オンラインでのつながりは運動者にネガティブな影響を与えることも明らかにされた。
「比較に重きを置くことは自己効力感の低下と外的調整の増強と関連しており、この結果、身体活動量の低下につながる。」とプリチャード博士は述べ、楽しみのための運動の重要性と運動がもたらす健康上のメリットを強調している。
研究チームは現在、市販の身体活動アプリがCOVID-19に伴う制限下での身体活動をどのようにサポートするかを確認するため、引き続き参加者を追跡している。
出典は『スポーツと身体活動の心理学』。 (論文要旨)
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