2020.8.11
, EurekAlert より:
BMIの上昇は脳のすべての領域の活動と血流の低下につながり、アルツハイマー病や精神疾患のリスク上昇に関連するという。米エイメン・クリニックなどの研究。
この研究は、肥満と脳機能障害の関連を探る最も大規模な研究の1つ。18-94歳までの17,000人以上を対象に、単一光子放射断層撮影(SPECT)によって脳の血流と活動を測定して分析した。脳血流の低さは、アルツハイマーを発症の最大の予測因子であるとともに、うつ病、ADHD、双極性障害、統合失調症、外傷性脳損傷、中毒、自殺、その他の状態と関連するとされる。
「この研究は、過体重や肥満が脳の活動に深刻な影響を与え、アルツハイマーやその他の多くの精神・認知疾患のリスクを高めることを示しています」と、筆頭著者のエイメン医師は話している。
参加者をBMIの値によって低体重、正常体重、過体重(BMI25以上)、肥満(BMI30以上)、病的肥満(BMI40以上)とグループ分けしてSPECTの結果を比較したところ、BMIがより高いグループになるほど脳のすべての領域において血流が顕著に減少するというパターンはが見つかった。特に、アルツハイマーに脆弱と指摘されている、側頭葉および頭頂葉、海馬、後部帯状回といった脳領域の血流は、BMIと反比例していた。
今回の結果は、過体重者が72%、うち42%もが肥満である米国では非常に懸念されるものだが、望みもあるという。エイメン医師は「機能的な脳イメージング研究を30年間行ってきた私たちが学んだ最も重要な教訓の1つは、健康的なカロリーの賢い食生活と運動習慣など、脳にとって健康的な習慣によって癒してあげれば、脳は改善されるということです」としている。
出典は『アルツハイマー病学雑誌』。 (論文要旨)
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