2020.8.5
, EurekAlert より:
暑さの中でハイキングする時になにが起きるかを、水分補給レベル、体幹部体温、発汗量に着目して解析した、という米国アリゾナ州立大学の研究報告。
研究チームは、20代の女性7人男性5人を対象に、「A」山に気温20℃(華氏68度)前後の日にハイキングしてもらい、次に別の暑い日(気温40℃、華氏105度)に再びハイキングしてもらった。彼らは通常の準備をするように、ただし彼らが必要と思う以上の飲料を携帯するように、そして、不具合が起こらないように可能な限り素早くハイキングするように要請された。各々のハイキングで、参加者は、山を4回昇り降りした。これは有名なハイキングコースで熱中症の多いアリゾナ州フェニックスのキャメルバック山と同じ距離、傾斜にほぼ相当するものだという。
トレッキングの前に、参加者は安静時代謝を測定し、ハイキング中の消費カロリーを推定した。体重、心拍数、体幹部体温、水分補給状態が、ハイキングの前後に測定され、飲水行為もモニターされた。
これらのデータから参加者の水分損失を計算したところ、気温に関わらず体重の平均1%の減少が見られたという。
「体重の1%の減少には異なる原因がある」と主任研究者のワーデナーは言う。「暑い時は、参加者の発汗が飲水より速く、しばしば携行したすべての飲料を消費してしまうが、20℃の時は発汗は少ないが、飲水量はもっと少なくなる。1%の体重減少は管理可能で、有害なパフォーマンスの低下が起こることは少ない。私の気掛かりは、暑い時に80-90分以上のハイキングをすると、充分な飲料を携行しないため、過剰な体重減少が起こることである。」
全体的に、20℃と比較して、暑い時はハイキングのパフォーマンスが11%大幅に低下し、有酸素能力が7%減少し、知覚される運動の割合が19%増加し、体幹部体温が上昇した。参加者は平均して、20℃の時よりも暑い時にハイキングを完了するのに約20分長くかかった。理論的には、熱に関連する病気を発症する可能性が指数関数的に増加する可能性があるという。
出典は『国際環境研究公衆衛生雑誌』。 (論文要旨)
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