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[子供]  イギリスのベビーフード市場は7年間で急拡大した
2020.8.3 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

乳幼児向け食品の市場はここ数年で大きく範囲を広げているが、砂糖の含有量は未だ非常に多いようだ、という報告。推奨されているベビーフード開始月齢よりも早い4ヶ月児向けの食品は少なくなっているが、乳幼児用スナックが多数販売されており、塩味(savoury)食品に含まれる甘味料が問題であるようだ。

手作りのベビーフードが推奨されているものの、イギリスでは乳幼児の58%が6〜12ヶ月齢の間に市販のベビーフードを与えられている。

過去、2013年に行われた調査では、グラスゴー大学医学・獣医学・生命科学部の研究者らは市販ベビーフードの栄養成分の質と表示に問題があると報告していた。
専門家は、完全母乳栄養から固形食への以降は6ヶ月齢頃から始め、段階的に行うことを推奨している。しかし、2013年の報告では、多くの市販ベビーフードが4ヶ月齢頃からと表示されて販売されており、半分近くの製品が甘い食品であることが明らかにされた。

今回、研究者らは、2013年からイギリスのベビーフード市場がどのように変化したかを比較するため、2019年に国内の店舗とオンラインで購入可能なすべての乳幼児食品を対象とした横断研究を新たに行った。

研究者らは、製品の栄養成分と説明書きを抽出し、4ヶ月児を対象とした製品の割合、甘味・塩味食品の割合、ウェットタイプ・ドライ (スナック) タイプ食品の砂糖含有量を2013年に作り上げたデータベースと比較した。

ベビーフードブランドは2013年の27ブランドから32ブランドへと84%増加し、製品数は2倍の898品に増えた。このうち611製品 (68%) がスプーンで食べるウェットタイプ食品で、このうち多くはパウチ製品 (54%) であり、253製品 (28%) がドライタイプ食品だった。

栄養成分等の比較の解析に用いられた865製品のうち、4ヶ月児向けの食品の割合は2013年の43% (178製品) から23% (201製品) に減少し、6〜7ヶ月児向け食品は2013年の33% (135製品) から43% (43%) に増加した。

甘味食品と塩味食品の割合は変わりなかったが、甘いウェットタイプ食品ではわずかながらも有意に (6%) 砂糖含有量が減少した。この一方で、塩味のウェットタイプ食品においては砂糖含有量が16%上昇していた。

甘味食品は2019年においても変わらず非常に甘味料が多く、29%の製品に濃縮果汁が用いられており、塩味食品は甘い野菜・果物が50%以上含まれていた。
スナック食品の割合は2013年にわずか42製品だったのに対して2019年には185製品と大きく増加し、ウェットタイプ食品の割合は2013年の79%から71%に減少した。

研究者らは、臨床的エビデンスは現時点ではないものの、乳幼児の間食による健康影響、恒常的な砂糖の摂取によるう歯の可能性は、食事ガイドラインに影響を与える可能性があると話す。罹患率についてのさらなる研究とマーケティング戦略への拡張が必要であるとし、パッケージにスナックの使用を制限する表記が必要となる可能性もあるという。

研究者らは、「市販ベビーフードの幅はこの7年間でブランド数、製品の種類ともに大きく広がった。4ヶ月児向けの食品の数は減少したが、スナック食品の数と塩味食品に含まれる甘味料の増加が問題である。」と結論づけている。

出典は『小児期疾患アーカイヴス』。 (論文要旨)      
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