2020.7.30
, EurekAlert より:
ソーシャルメディアからニュースを得ている人々はCOVID-19について誤解しやすい一方、伝統的なニュースメディアを使用している人では誤解が少なく、社会的距離のような公衆衛生上の推奨項目を遵守していることが多いようだ、というマギル大学からの報告。
この新たな研究で、研究者らはソーシャルメディアとニュースの解析および調査研究を併用して、誤った情報への曝露と行動への影響について検討した。数百万のツイート、数千のニュース記事、そしてカナダ人を対象とした質問調査結果をもとに、「ソーシャルメディアと伝統的なニュースメディアにおいてCOVID-19に関する誤った情報がどれほど広まっているのか」、「これらの情報は人々にCOVID-19に関する誤解を与えているのか」、さらに「人々の行動にまで影響しているのか」の3点について調べた。
「カナダ人を含め、世界中の人々にとってTwitterやFacebookなどのプラットフォームはニュースと誤った情報の主要な情報源となっている。COVID-19の流行のような危機的状況は、ソーシャルメディアの利用が消費者の誤解を助長することを懸念する十分な理由となる。」筆頭著者のオェングス・ブリッジマン氏はこう話す。
調査の結果、Twitterなどのソーシャルメディアプラットフォームでは、伝統的なニュースメディアと比較して、より多くのCOVID-19に関連する、誤ったまたは不正確な情報が出回っていることが示された。研究者らは、ソーシャルメディアから受け取った人と伝統的ニュースメディアから受け取った人の間に大きな行動の違いが見られたことを強調している。この違いは、科学的リテラシーや社会経済的特性などの因子を調整してもなお認められたという。日常的にソーシャルメディアから情報を得ている人々では社会的距離を保つ人やCOVID-19を脅威と認識している人が少ない傾向があり、一方でニュースメディアを利用する人々ではその反対の傾向がみられた。
著者の一人でマギル大学マックスベル公共政策学部准教授のテイラー・オーウェン准教授は話す。「ソーシャルメディアでの誤った情報の氾濫が公衆衛生上のリスクであることを示すエビデンスが蓄積されつつある。これにより、政策立案者やソーシャルメディアプラットフォームが誤った情報のカーブを緩やかにする重要が示されている。」
出典は『ハーバード・ケネディ・スクール誤報レビュー』。 (論文要旨)
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