2020.7.22
, EurekAlert より:
授乳の際には、乳房から直接赤ちゃんに飲ませることで母親の持つ善玉菌を効率的に与えられるという。搾乳した母乳を哺乳瓶で与えた場合には、その効率が下がるようだ。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学などの研究。
1249人の母親と赤ちゃんを対象とした分析によって、乳房から直接授乳(直母)をしている場合、母乳と乳児の便中の両方にみられる特定の善玉菌の組成が、より似通っていることがわかった。
「私たちの研究は、母乳が乳児の腸内微生物叢の発達の原動力であることを確認するものです」とこの論文の責任著者であるターベイ博士。「私たちは、母乳のみを与えることとその期間が赤ちゃんの腸内微生物叢全体の組成と強く関連しており、母乳中の細菌が出産方法(帝王切開/経膣分娩)などといった他の既知の因子と同じ程度に、赤ちゃんの腸内細菌叢を形成にかかわることを発見しました」
本研究は、赤ちゃんの0歳期間の複数の時点において、母乳栄養の方法(直母/搾乳した母乳、母乳のみ/混合、期間)、母乳中の細菌、母乳成分、乳児の腸内微生物叢組成との関連を評価した最初の研究だという。
「これらの結果は、母乳が特定の細菌を濃縮し、保護し、赤ちゃんの消化管に輸送するとして機能する可能性があるという仮説を前進させるとともに、特定の細菌が赤ちゃんの腸へ到達する旅に耐えうることを示唆しており、良質なプロバイオティクスを作る手掛かりとなるかもしれません」と共同責任著者のフィンレイは教授は付け加えている。
出典は『細胞:宿主と病原菌』。 (論文要旨)
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