2020.7.22
, EurekAlert より:
学校で健康的な食事の提供を受け、より多くの身体活動の機会をもつ小中学生は、健康的なBMIを維持できるようだ、というラトガース大学からの報告。
研究では、小児期の肥満の指標である身長と体重から算出される体格指標 (BMIのZスコア) と、学校における食事選択、身体活動環境の影響を調査した。
米国では小児および学童のおよそ5人に1人が肥満である。子どもたちは1日で最大2回の食事を学校で摂り、日常の身体活動の40%までを学校で過ごすことから、学校生活は肥満に関連する行動において重要な役割を果たしている。全国学校給食プログラムなどの近年の政策では、より健康的な学校環境の推進に焦点を当てているものの、子どもたちの体重への影響は十分なエビデンスはあまり集まっていない。
研究ではニューアーク、トレントン、カムデン、ニューブランズウィックの公立学校90校の生徒19,000人を対象に、1年間に学校給食や自動販売機、ほかの学校で提供される食品の健康的な質、室内および屋外の身体活動施設と活動機会の数を調査。より健康的な食品の提供とより多くの身体活動施設の存在は、子どもたちのBMI Zスコアの低下と関連がみられた。また、自動販売機による健康的ではない食品の提供の増加は体重の増加と、屋外身体活動施設数の増加は体重の減少と関連が認められた。
「学校給食と健康的な栄養基準の施行の重要性を示すエビデンスは、米国におけるこれらの基準の巻き返しを図る提案にタイムリーな影響を与える」と、ニュージャージー小児健康スタディの共同監督者マイケル・イェディディア氏は述べる。「学校での食事は、80%が全国学校給食プログラムで食事の提供を受けている低所得者層にとって極めて重要である。低所得者層の子どもたちは、保護者の支出なく (あるいは低コストで) 、最大で必要量の半分までの栄養を賄われている。」
この研究結果は、学校給食プログラムを支援する連邦法の重要なピースである小児栄養再承認(Child Nutrition Reauthorization)の協議に特に深く関連する、と共同研究者のアリゾナ州立大学プナム・オリ・ヴァチャスパティ氏は述べる。「学校は子どもたちの健康的な生活習慣を支援する重要な役割を果たしており、短期および長期的な健康状態にも影響する。」と彼女は話す。
出典は『予防医学レポート』。 (論文要旨)
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