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[その他]  ココナッツをめぐる混乱は消費者の難問を明らかにする
2020.7.20 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

ココナッツオイルの生産はパームオイルと比較して環境への打撃が大きいようだ、というエクセター大学からの報告。

パームオイルの生産に伴う熱帯雨林伐採の問題はよく知られているが、新たな研究によるとココナッツオイル1トン当たりの生産によって脅威にさらされる種の数は、パームオイルや他の植物油に比べて多いという。

研究者らは、この結果が「意識ある消費」の難しさを強調する一例であるとし、作物の環境影響に関する客観的なガイダンスの欠如が、消費者の情報に基づく意思決定能力を蝕んでいると話す。

「我々の研究結果は驚くべきものだった。西欧諸国の多くの消費者は、ココナッツ製品は健康的であり、その生産は環境への悪影響が小さいと考えている。」ブルネイに拠点を置くボルネオ・フューチャーズのエリック・メイジャード氏は語る。「この事実が明らかになったことで、我々はココナッツの環境影響について考え直さなければならない。」

共著者のエクセター大学グローバルシステム研究所およびデータサイエンス・AI研究所のジェシー・F・エイブラムス博士は言う。「消費者は-特に個人の消費により責任感を持っている者は-メディアから得られる情報に非常に依存しているが、これらの情報は多くの場合利害関係者によってもたらされている。何を購入するか決定するとき、我々は自身が持つ文化的バイアスの存在に注意し、二重規範を避けるために欧米的な視点以外からも問題を考える必要がある」

研究によると、ココナッツオイルの生産は100万トンあたり20種の絶滅危惧種 (動物および植物) に影響する。これに対して、パームが100万トンあたり3.8種、オリーブが4.1種、大豆が1.3種となっている。

ココナッツが他の植物に比べて多くの種に影響する主な理由は、この植物が、多様性豊かで多くの固有種が生息する熱帯の島々で育つことであると指摘された。ココナッツの栽培はセイシェル諸島のマリアンヌ・メジロ、ソロモン諸島のオントンジャワオオコウモリなどを含む、島々の多くの種の絶滅に寄与したと考えられている。

現在も生存しているがココナッツの生産により絶滅の危機にさらされている種には、フィリピン諸島に生息するバラバック・ネズミジカ、主にインドネシアのサンギヘ諸島に生息するサンギヘ・メガネザルが含まれる。

ただし研究者らは、この研究の目的はココナッツを消費者らが避けるべき食品のリストに加えることではない、と強調する。実際に、彼らはオリーブやその他の植物もまた懸念を引き起こしていることを指摘する。

著者の一人であるノルウェー生命科学のダグラス・シェイル教授は話す。「消費者は、熱帯性植物に限らず我々が食べているすべての農産物が環境に悪い影響を与えていることを認識しなければならない。我々は、消費者の選択を支援する適切な情報を提供する必要がある。」

研究者らは消費者を助ける新たな透明性の高い情報を議論している。

「情報に基づく消費者の選択は、ボルネオ、ベルギー、バルバドスの生産者に等しく適応できる対策と基準を必要とする。完璧を目指すことは難しいが、現状を改善することは不可能ではない。」と研究者らは述べている。

出典は『最新生物学』。 (論文要旨)      
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