2020.7.20
, EurekAlert より:
フルクトースを含む食品・飲料を摂取すると、肝臓に達する前に胃腸において分解され、肝臓が損傷から保護されるようだ、という米国ペンシルベニア大学からの研究報告。短期間に大量のフルクトースを摂取すると、腸が圧倒され、フルクトースが肝臓に「こぼれ出し」て代謝が乱れ、脂肪肝が惹起される可能性があるという。
このマウスを用いた実験結果は、身体がフルクトースを代謝する方法についての長年の疑問を解くのに役立つという。
研究チームは、フルクトースの代謝を司る酵素ケトヘキソキナーゼについて検討した。マウスを遺伝子操作して、腸内のこの酵素のレベルを下げると、マウスに脂肪肝が起こることを示した。逆に腸内のケトヘキソキナーゼのレベルを高めると、脂肪肝が減少した。
このことから、腸内におけるフルクトース代謝が、マウスの肝細胞において余分の脂肪の発生を軽減していることが明らかになった。
「我々の発見は、フルクトースを食べたり飲んだりした後、腸が実際、最初にフルクトースを代謝するということだ。これが、フルクトースによって惹起される損傷から肝臓を保護する役にたつ」と主任研究者のゾルタン・アラニー博士は語っている。
「重要なことは、食べ物や飲み物を一気に飲むのではなく、ゆっくり食事をすることで悪影響を緩和できるということだ。」
出典は『ネイチャー代謝』。 (論文要旨)
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