2020.7.14
, EurekAlert より:
音楽に合わせて他人と共に身体を動かすと、同期した動きが社会的親密さを増すようだ、というデンマーク・オーフス大学からの研究報告。
社会的絆を築くことは、私たちの健康と福祉にとって不可欠である。今回、研究者らは、音楽が社会的絆のユニークな背景を提供することを示した。
『サイエンティフィックレポート』誌に発表された調査結果は、音楽と一緒に動くとき、人間同士の同期した運動によって社会的親密さが増すことを示唆している。
「人々がコンサートやミュージッククラブで一緒に動く様には、なにか荘厳で愛情深いものがある。人々がダンスで同期して動いているのを見るだけでも、あるいは共に音楽を作るときにも、調和と提携が感じられる。ある友人はこの論文についてただ次のようにコメントした。『わたしの最良の友達は世界中のダンスパーティと電子音楽フェスティバルで会った人たちよ』」と筆頭著者のジャン・スチュパッチャー氏は述べている。
研究チームは、音楽に対する文化的な親密さと個人的な音楽の好みが、他人と同期して、あるいは同期せずに動くときに社会的結合にどう影響するかを知りたかったという。
そこで、オンラインビデオパラダイムを作成し世界中の参加者についてこの効果を検討した。3つの実験が実施された結果、同期された動きの社会的結合に及ぼす影響は、慣れ親しんだ音楽であることによって低下し、楽しめる音楽であることによって上昇したという。
文脈を提供する音楽がより楽しまれるとき、同期したパートナーとの社会的親密さはより強固になり、同期していないパートナーとのそれは弱かった。この相互作用は、音楽の親しみやすさでは発生しなかった。音楽親しみやすいほど、社会的親密さは、動きの同期とは無関係に高くなったという。
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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