2020.7.13
, EurekAlert より:
子供や若者は高齢者よりもCOVID-19に罹る可能性が低いという報告にも関わらず、この感染症の身体的および精神的健康に対して実質的に間接的悪影響がある可能性がある、という英国エクセター大学からの研究報告。
身体的悪影響として、
●COVID-19に関係ない病気の治療が遅れることにより、深刻な病態や死に至る可能性がある ●集団免疫を脅かす可能性のある、定期的小児ワクチン接種の広範囲にわたる遅延または省略 ●定期的小児健康診断によって通常特定される発達遅延の兆候を見逃す
精神的悪影響として、
●居住環境によってはストレスや葛藤が高まり、子供の心身の健康に影響する可能性がある。特に、難民、一部の先住民族、貧困層などが脆弱である ●リスクのある家庭への児童福祉の訪問の制限、中止が害をもたらす可能性 ●強制的な孤立と経済の不確実性は、家庭内暴力の増加につながり、精神的および身体的トラウマの一因となる可能性 ●休校は、給食に依存する子供たちの食糧不安を高める。安全な場所としての学校を失うことで脆弱性を増大させる可能性 ●社会的相互作用の喪失と構造化されたルーチンの欠如が、スクリーン時間の増加、身体活動の減少、集中力の低下、不安、初期のうつ病などにつながる可能性 ●発達障害のある子供など、追加のヘルスケアが必要な子供へのサポートの減少は、診断とサポートの遅延につながる可能性
著者らは以下のような緩和戦略を提案している。
●必要に応じて、保健サービスが子供や若者のために開かれているという明確なコミュニケーション ●病院ベースの重要なプログラムを別の場所やオンラインなどで提供する ●学校に戻り易くするために、子供と若者がどのようにCOVID-19に感染して蔓延させるか、そして病院を受診し入院するかを評価するための十分なデータ収集
出典は『カナダ医師会雑誌』。 (論文要旨)
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