2020.7.7
, EurekAlert より:
妊娠中の適度な運動でも母乳中の成分が増加し、糖尿病、肥満など深刻な健康問題の生涯にわたるリスクが減少するようだ、という米国オハイオ州立大学の研究が『ネイチャー代謝』誌に発表された。
研究チームは、殆ど運動しなかった雌マウスから生まれた仔マウスに、妊娠中に活発に運動した雌マウスの乳汁を与えた。そして、乳汁中の成分による健康効果が仔マウスに伝達されることを発見したという。
次に、150名の妊婦・授乳婦を対象に身体活動量計によって運動量を計測したところ、1日の歩数が上昇するにつれて、3SL(3'-シアリルラクトース)として知られる母乳成分が増加したという。
「3SLの増加は、かならずしも運動強度に関係したものではなく、ウォーキングのような中程度の運動でも十分に利益につなげることができる」と主任研究者のクリスチン・スタンフォード准教授は語っている。
「運動はあなた自身の妊娠中、出産後の全体的な健康も高めるので、できることはなんでもやって動くことがあなたとあなたの赤ちゃんに有益である。」
研究チームでは、母乳哺育ができない女性にもこの活動的なママの母乳に含まれる有益な成分を分離精製して乳児用人工乳に添加できるか検討中とのことである。
出典は『ネイチャー代謝』。 (論文要旨)
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