2020.7.7
, EurekAlert より:
マウスにおける研究で、ブラックラズベリーを食べることは、皮膚のアレルギー疾患である接触性皮膚炎による炎症反応を低減することが示された。オハイオ州立大学からの報告。
「多くの場合、皮膚炎の治療は、ステロイドのように皮膚への直接の塗布により行われる。」責任著者のスティーブ・オガム氏は語る。「興味深いことに、この果物はほんの少量の摂取でも同様の効果が得られた。」
研究者らは、マウスを2つのグループに分け、1群に人が1サービングで摂取する程度の量のブラックラズベリーを含む食事を与え、もう一方の群にはブラックラズベリーを含まない食事を与えて対照群とした。
食事を与え始めてから3週間後、マウスの耳に感作剤を塗布して接触性皮膚炎を引き起こし、それぞれのマウスの耳の腫れの抑制効果を測定した。
この結果ブラックラズベリーを食べたマウスでは対照群に比べて耳の腫れが抑えられていた。
研究者らは、ブラックラズベリーが、体の免疫応答の開始を指示するメッセンジャーである樹状細胞の働きを調節することを発見した。
「免疫システムは多くの細胞が関わる非常に複雑なシステムだ。ブラックラズベリーが影響を与える細胞が特定されることは、この果物がいかにして炎症反応を抑制しているかのメカニズムを明らかにする助けになる。」とオガム氏は述べる。「身体での悪い影響の多くは病原体やアレルゲンそのものによるものとは限らず、これらが引き金になって起こるからだの応答による場合もある」
たとえば接触性皮膚炎の場合、アレルゲンへの感作と、接触部位への免疫細胞の集結が原因となって炎症や痒みが引き起こされる。
「免疫応答を調節することは、このようなタイプの疾患をコントロールする方法の一つであり、ブラックラズベリーはそれが可能であるようだ」
オガム氏らのチームは、ブラックラズベリーの炎症に対する影響を長年研究してきた。ブラックラズベリーが豊富な食事はいくつかの種類のがんに関連する炎症を抑制する可能性が見いだされている。チームは、この果物が他の原因による炎症の抑制にも役立つかどうかを検討している。
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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