ダイエット成功の鍵のひとつは、適切なロールモデルの存在のようだ、という米国イェール大学とマギル大学からの研究報告。

米国では肥満率の高さゆえに多数のダイエッターが存在している。米国疾病予防管理センター（CDC）によれば、米国の肥満者の割合は20〜39歳の若年層で40％、40〜59歳の壮年層で45％、60歳以上で43％となっている。

米国のダイエット業界は、これら1億を超えるダイエッターから年間200億ドルの利益を得ているといわれる。商業的な減量プログラムは顧客の満足度と進捗を最適化するように設計されており、これら2つの指標は、プログラムの成果と顧客のダイエット成功に結びついている。

研究チームは、ダイエッターが健康的なライフスタイルを推進する上で、均一ではない仲間たちの及ぼす影響について検討した結果、平均的なパフォーマンスのダイエット仲間の減量が、個人の減量にネガティブな影響をもたらす一方で、トップダイエッターの減量はポジティブな影響をもたらすことを明らかにした。

この研究は、大規模な全国ダイエットプログラム（『ビッゲストルーザー』）参加者のミーティング参加状況と進捗状況を記録したデータベースを基にしたものである。

「それぞれのダイエット仲間が、グループ内の他の参加者に与える影響は一様ではない。ダイエット仲間からの社会的サポートは、減量において重要な役割を果たす。我々は、ダイエット仲間の減量が個人の減量の成功に与える影響を調査した」と筆頭研究者のコースケ・ウエタケ教授は語る。

「この結果は、ダイエットプログラム提供者が、過去のプログラム参加者における成功体験をどのようにPRするべきかに影響を与える。平均的なダイエット仲間における減量成功は、約半数の参加者は減量に失敗するかもしれない、という落胆の指標として機能する可能性がある。一方で、トップダイエッターにおける減量成功は、多くの参加者を裏切ることのない有望なダイエット目標として機能する可能性がある。」

この研究成果は、ダイエッターの目標達成を支援する方法の一つとして、グループ全体の成功度を水準として用いる代わりに、トップダイエッターにおける減量成功体験からインスピレーションを与えることの可能性を示唆している。