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[運動]  COVID-19の身体活動への世界的な影響:記述的研究
2020.7.2 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

COVID-19パンデミックによって世界的に歩数の急激な減少がみられた、という米国カリフォルニア大学からの研究報告。

身体活動は健康の重要な決定要因であり、COVID-19パンデミックによる社会的距離測定の影響を受ける可能性がある。

研究チームは、COVID-19が世界的なパンデミックであると発表される前後の歩数の世界的な変化を調べた。

187か国455,404人のユニークユーザーからの合計19,144,639歩のデータが解析された。測定に使われたのは92%がアップル製品で、8%がアンドロイドだった。

解析の結果、COVID-19の期間中に世界的な歩数の急速な減少が見られ、それには地域ごとの違いがあり、地域の歩数の傾向はソーシャルディスタンス基準の遵守を反映している可能性があることを発見した。

パンデミック宣言の10日以内に、5.5%(287歩)の減少、30日以内では27.3%(1,432歩)の減少が起きたという。

地域による違いとしては、2020年3月9日のイタリアのロックダウンは、48.7%の最大減少を起こしたのに対し、同日のスウェーデンでは、ソーシャルディスタンスと集会の禁止が主として提唱され、6.9%の最大減少に留まった。

パンデミック宣言後に15%の歩数現象がみられるまでの日数は、イタリアが5日、スペインが9日、フランスが12日、インドが14日、米国が15日、英国が17日、豪州が19日、そして日本は24日だった。


■当研究所 研究者からのコメント

(ニュースが参照している以下の論文に対するものです)
新型コロナウイルス感染症の身体活動に対する世界的な影響:記述的研究
Tison GH et al. Worldwide Effect of COVID-19 on Physical Activity: A Descriptive Study. Ann Intern Med. 2020;M20-2665.

本研究は、2020年3月11日のWHOによる新型コロナウイルス感染症パンデミック宣言前後の2020年1月19日から6月1日までの歩数の変化を、世界規模で調べた記述的研究である。宣言を機にロックダウンを実施した国や都市のにおけるスマホアプリで測定された歩数は、1-2週間で約3,000歩/日減少した。一方で、敢えて対応策を講じなかったスウェーデンではほとんど歩数に変化が見られなかった。興味深いことに日本やシンガポールでは、宣言前の2月頃からすでに歩数減少が始まり、2ヶ月ほどかけて約3,000歩/日減少した。各国・地域により、歩数減少の程度や速度が異なることを示した貴重な研究である。

約45万人という膨大なデータ、国・都市別の分析、スマホの加速度計を用いた客観的測定、縦断的な解析、6月1日までのデータを6月末に公表した速報性などが本研究の強みである。個人的には、日本のデータ、特に約3,000歩/日の減少、ベースライン歩数が最も高いこと、政府の緊急事態宣言の1ヶ月以上前から身体活動が減少し始めたことが興味深い。3,000歩/日減少は、歩数に反映されない身体活動増加を考慮しない場合、50-80kcal程度のエネルギー消費量の減少を意味し、9-10%程度の生活習慣病発症や死亡リスクの増加と関連していることから、長期化を避ける取り組みが必要と思われる。一方で、本知見の解釈には、スマホによる歩数は外出時の歩数を主に反映していること、特定のアプリユーザーの偏ったデータであることなどを考慮する必要がある。


<国立健康・栄養研究所 身体活動研究部 部長 宮地元彦>



※このニュースの詳細については、以下の原論文をご参照ください。

新型コロナウイルス感染症の身体活動に対する世界的な影響:記述的研究
Tison GH et al. Worldwide Effect of COVID-19 on Physical Activity: A Descriptive Study. Ann Intern Med. 2020;M20-2665.

出典は『内科学年報』。 (論文要旨)      
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