2020.7.2
, EurekAlert より:
5分でできる食事の健康度を測定する新しい尿検査が開発され、大規模試験によって個々の食生活に対するユニークなフィンガープリントが明らかにされた。英国インペリアルカレッジロンドンなどの研究。『ネイチャー食品』に掲載。
研究チームは、46種類の代謝物を1,848名の米国人の尿検体を用いて分析した。
代謝物は、食事の質の客観的な指標になり得ると考えられている。研究チームは、67種類の栄養素が46種類の尿中代謝物に影響を及ぼすことを明らかにした。この46種類の代謝物によって、米国で自由生活を送る集団における健康的および不健康的な食事パターンを正確に予測することが可能であったという。
この結果は、独立した英国の集団においても再現された。
研究チームはこれらの代謝物を宿主-微生物代謝ネットワークに位置付け、食事に関連したカギとなる代謝経路と機能を同定した。このデータは、将来の研究において、食事由来のバイオマーカーとして疾患リスクとの関連を評価するのに使うことができるだろうとしている。
研究チームが同誌に発表した別の研究(※)では、食事メタボスコア(DMS)と呼ばれるスコアを尿のフィンガープリントから作成した。
19人の参加者に、4つの異なる食事(非常に健康的なバランスのとれたWHO推奨に100%準拠した食事から、WHO推奨に25%しか準拠していない不健康な食事まで4段階)をしてもらった。
その結果、同じ食事を厳密に守った参加者では、異なるDMSスコアが示されることがわかったという。DMSが高いほど、食事の健康度も高かった。DMSが高いことはまた、血糖値の低下と尿中エネルギー排出量の増加とも関連していたという。
研究チームは、尿中への高エネルギー排出(高DMSスコア)と低エネルギー排出(低DMSスコア)の違いは、高DMSスコアの人が1日4kcal、年1,500kcalの過剰カロリーを失うことに等しいことを発見した。これは年215gの体脂肪に相当するという。
※論文2: https://www.nature.com/articles/s43016-020-0092-z
出典は『ネイチャー食品』。 (論文要旨)
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