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[病気]  代替医療は多発性硬化症患者の間で広まっている
2020.7.1 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

多発性硬化症患者の多くが補完代替医療 (CAM) を利用しており、大麻利用者も多いようだ、という米国オレゴン健康科学大学からの調査報告。

調査は、2018年にオレゴン州とワシントン州南西部の多発性硬化症患者1,000人以上を対象に行われた。

今回の調査では、医師にCAMの利用を伝えている患者の数が、2001年に行われた同様の調査の約9倍にのぼった。CAMが一般医療以上に受け入れられている兆候が確認された。以前の調査以降、多発性硬化症の進行を抑制するいくつかの一般医療が利用可能になっている。にも関わらず、患者たちは有効性の根拠が限定的なサプリメントなどのCAMを利用する傾向にあるようだ。

「他の治療法があるにも関わらず、サプリメントなどのCAMの利用者は多いままだ」と筆頭著者のエリザベス・シルバーマン医師は述べている。

主な調査結果は以下の通り。
・81%がサプリメント (ビタミン、ミネラル、ハーブなど) を利用 (前回調査では65%) 。
・39%がマインドフルネスやマッサージなどを実施 (前回調査では14%) 。
・81%が症状の緩和を助ける運動を実施 (前回調査では67%) 。

大麻の利用も広がっており、回答者の約30%が様々な方法で利用していた。大麻は連邦法では違法薬物であるが、近年オレゴン、ワシントンの州法で合法化された。

植物サプリメントなどの代替療法は伝統的に何百年利用されてきた歴史があるものの、科学的な検証は十分に行われていない。シルバーマン医師は、患者が医師に対してCAMの利用を積極的に開示するようになったことは、CAMと一般医療との相互作用を防ぐ上で良い兆候である、と話す。「この20年で医師と患者との関係性は、医師主体からより相互的なものへと変化してきた。」

医師が、何が症状の改善のための助けになり、何がそうはならないのかを患者に伝えられるよう、さらなる研究が必要だ、とシルバーマン医師は話している。この調査の回答者の約85%は軽度から中等度の障害を有していた。

主任著者でオレゴン健康科学大学神経学准教授のレベッカ・スペイン准教授は、この調査結果が、患者が医師とすべての経験を共有することの安心感と開放性を反映していたことに満足している、と語る。同大学における患者のCAM利用サポート体制に定評があることが理由の一つにあるとスペイン准教授は考えている。

「患者らが利用しているCAMの全容を医師と共有することは、多発性硬化症患者の効果的なケアを考慮するうえでの手助けになるだろう」

出典は『多発性硬化症と関連疾患』。 (論文要旨)      
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