2020.6.29
, EurekAlert より:
米国における2020年3月のインフルエンザ様感染症増加の波は、COVID-19感染者数が当局の推定よりはるかに多かったことを示唆しているようだ、という米国ペンシルバニア州立大学などからの報告。
この知見は、米国で3月中に870万人のSARS-CoV-2感染者があったというシナリオをサポートし、アウトブレイクの急速な拡大によって、これら症例の80%以上が同定されないまま残っていると推定している。
さらに、この結果が示唆しているのは、インフルエンザ様感染症のためのサーベイランスネットワークがCOVID-19の有病率の推定のための重要なツールを提供できるということである。
多くの科学者が、SARS-CoV-2感染症の真の感染率は、検査数の限界や無症状あるいは軽度のインフルエンザ様症状しか示さない患者の存在のために少なく見積もられた確定症例数よりもずっと高いと考えている。
研究チームは、2010年から実施されているサーベイランスのデータから、米国における非インフルエンザのインフルエンザ様感染症の有病率を決定した。2020年3月について、チームは通常の季節性感染者数をはるかに超えるインフルエンザ様感染症の巨大なスパイクを観察した。研究チームはまた、非インフルエンザのインフルエンザ様感染症の動態がCOVID-19の確定診断数のパターンと一致していることも示した。
SARS-CoV-2感染者の3分の1が受診したと想定すると、少なくとも870万人のSARS-CoV-2感染者が3月8日から28日の間に米国で発生したと考えられるという。死亡者数は3日ごとに倍増していった。
研究チームは、COVID-19の初期の拡大には多数の未診断の外来患者集団が含まれていたと結論付けた。
出典は『サイエンストランスレーショナル医療』。 (論文要旨)
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