2020.6.25
, EurekAlert より:
腰から下の脂肪量の増加は2型糖尿病と心血管疾患に保護的に働くようだ、という独チュービンゲン大学病院からのレビュー報告。
臀部と脚部の脂肪量は代謝の健康を守るうえで極めて重要であり、研究チームは体脂肪分布を変えるための生活習慣変更や薬物治療について議論している。
体脂肪の増加は、2型糖尿病と心血管疾患の正解的増加における重要なリスク因子である。けれども、脂肪の量とこれら疾患のリスクには大きなばらつきがある。たとえば、痩せていても2型糖尿病や心血管疾患のリスクの高い人がいる。重要なのは、内臓(腹部)脂肪の量であり、そのため最近では体幹部の脂肪に注目が集まっているが、下半身の脂肪を増やす能力の障害が非常に重要であることも幾つかの研究から明らかにされてきた。
著者のノルベルト・シュテファン氏は、体内の脂肪の貯蔵に関するメカニズムについて論じている。次いで、下半身の脂肪量の測定が2型糖尿病と心血管疾患のリスクを推定するのにどれくらい役立つかを示す研究について議論している。この点に関して、最近発表された画期的な研究が、内臓脂肪と下半身の脂肪が、心血管代謝の健康維持に等しく重要であるという遺伝的サポートを提供していることを指摘しており、この仮説を裏付ける核磁気共鳴画像診断の研究からの新しい情報を提供している。
さらに、加齢によって、身体の下部から上部へと脂肪が劇的に再配分されるメカニズムを説明する。性ホルモンとシグナル伝達の変化が男でも女でも極めて重要であるという。
シュテファン氏は、生活習慣の変化や薬物治療によって脂肪分布を健康的にする戦略について語っている。
出典は『ランセット糖尿病&内分泌学』。 (論文要旨)
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