2020.6.24
, EurekAlert より:
成人してからの2型糖尿病リスクの初期の兆候は、そのだいぶ前、8歳時点ですでに現れているという。英国ブリストル大学の研究。
この研究は、1990年代初頭にブリストル大学が開始し、当時の子どもたち4,000人以上を成人後以降も追跡したものだ。今回の調査では、対象者が8歳、16歳、18歳、25歳の時点で採取した血液サンプルから測定された、代謝に関する2型糖尿病発症の遺伝的リスクスコアの影響を調べた。
研究チームは、2型糖尿病の発症の初期段階に特有のパターンを特定すべく、遺伝情報を「メタボロミクス」と呼ばれるアプローチと組み合わせた。
著者の一人であるベル博士は「糖尿病は一朝一夕にして発症するわけでないことはわかっています。わからなかったのは、疾患の活性の最初の兆候がどのくらい早くから現れ、それらの兆候がのどのように見えるかということです」
「糖尿病は高齢になれば最も一般的ですが、疾患の感受性の兆候は非常に早い段階で見られます。通常診断される約50年前です」などとし、早期に兆候を発見することで発症を抑えることができればとしている。
この研究は、一般的に2型糖尿病やその他の慢性疾患のない子どもを対象に行われ、成人後に糖尿病にかかりやすくなることへの影響がどのくらい早く現れるかを確認した。特に、HDLコレステロールのサブクラスであるvery large HDLとlarge HDLが、LDLなど他のタイプのコレステロールが上昇する前の8歳時点で減少がみられた。炎症レベルは16歳、分岐鎖アミノ酸は18歳までに上昇した。これらの差は時間とともに拡大したという。
出典は『糖尿病治療』。 (論文要旨)
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