2020.6.23
, EurekAlert より:
定期的な身体活動をしていない高齢者は、している高齢者に比べてフレイルになるリスクが有意に高いようだ、という蘭エラスムス大学医療センターからの研究報告。
フレイルとは「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」(厚労省研究班報告書)である。
研究チームは、高齢者の健康的な加齢を促進する欧州のプロジェクトの一環として、新しい研究を実施した。高齢者が処方された薬を服用し、転倒、虚弱、孤独を防ぐのを助ける援助の利点を調べた。参加者はヨーロッパの5か国(スペイン、ギリシャ、クロアチア、オランダ、イギリス)の研究施設でケアを受けた。研究結果は、『米国老人医学会雑誌』に掲載された。
質問の中で、参加者は、「ガーデニング、車の掃除、散歩など、低レベルまたは中程度のエネルギーを必要とする活動にどれくらいの頻度で従事しているか?」と尋ねられた。
研究チームは、「定期的」をそのような身体活動を週1回以上していること、「不定期」を週1回未満とした。
参加者のうち、70歳以上の1,215名は援助を受けた。1,110名は援助を受けなかった。援助群は、リスク評価、共有された臨床決定、転倒リスク、不適切な服薬、孤独、フレイル減少のためのケアを受けた。
定期的にアクティブだった者に比べて、不定期にしかアクティブでなかった者は、追跡調査期間中に有意に、身体的、心理学的、社会的フレイルになるリスクが有意に高かった。
研究チームは、定期的に身体活動をしていた人々および定期的に身体活動をするようになった人々は、身体的にのみならず、心理的にも社会的にもフレイルのレベルを維持または改善できるようだ、と結論付けた。
出典は『米国老人医学会雑誌』。 (論文要旨)
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