2020.6.23
, EurekAlert より:
50歳以上で年100時間以上のボランティア活動をする人々は、活動しない人々に比べて、実質的に死亡リスクと身体障害リスクが低く、その後の身体活動レベルが高く、改善された幸福意識をもつ傾向が高いようだ。
研究チームは、米国人高齢者を対象とした『健康と退職研究』からランダムに選択された約13,000人を対象にした対面インタビューその他のデータを解析した。参加者は、2010-2016年から2つのコホートで4年以上追跡調査された。
解析の結果、年100時間以上のボランティアをする人々は、0時間の人々に比べて、死亡リスクと身体障害を起こすリスクが低く、身体活動レベルが高く、より良い心理学的アウトカムをもつことが明らかになった。
ボランティアと糖尿病、高血圧、脳卒中、がん、心臓病、肺疾患、関節炎、肥満、認知機能障害、慢性疼痛などの慢性状態の改善との関連性は確認されなかったという。
「人間は本質的に社会的な生き物だ。おそらくこれが、我々が他者に与えることで心と身体が報われる理由であろう。我々の結果は、高齢者のボランティア活動がコミュニティを強化するだけでなく、他者との絆を強化することによって、目的意識と幸福感を感じ、孤独感、抑うつ感、絶望感から身を守るのを助けることで、我々の生活を豊かにすることを示している。定期的な利他的な活動は死亡リスクを低下させる。我々の研究が幅広い慢性疾患に直接的な影響は示していないとしても」と主任研究者のエリックS.キム博士は述べている。
出典は『米国予防医学雑誌』。 (論文要旨)
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