2020.6.22
, EurekAlert より:
妊娠する前に特定の野菜を豊富に摂取していた女性において、早産リスク低下との関連が示唆された。特に未産婦でこの傾向がみられるという。豪クイーンズランド大学の研究。
早産とは妊娠37週以前の出産を指し、豪州においては子供の主要な死因になっているほか、年間出生数の8.5%が早産で、この割合は上昇傾向にあるという。
この研究では約3500人の女性の食事を分析したところ、妊娠前にニンジン、カリフラワー、ブロッコリー、カボチャ、キャベツ、インゲンマメ、ジャガイモを豊富に摂取していると、無事に妊娠37週以降に入ってからの出産に結び付きやすいことが明らかになった。
「昔ながらの野菜には、抗酸化物質や抗炎症性の栄養素が豊富に含まれています。これらは、残念な出産結果のリスクを軽減する上で重要な役割を果たしています」と著者のゲート氏は述べている。
「女性は妊娠前にカルシウムや鉄などといった胎盤や胎児の組織の発達に重要な、特定の貯蔵された栄養素に左右されます。赤ちゃんを妊娠した後、より健康的な食事を始めても遅すぎるのかもしれません。なぜなら、赤ちゃんは妊娠前期が終わるまでに完全に形作られるからです」。
共同研究者のミシュラ教授によると、行動変容のための食事介入と戦略が女性たちが出産を考え始めるときに役立つ可能性が、この研究から示唆されたとしている。「早産で生まれた人は、成人期に代謝および慢性疾患のリスクが高くなり、認知能力の発達や学業成績も低下するリスクに直面します」。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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