2020.6.15
, EurekAlert より:
食事後に引き起こされる代謝には大きな個人差があり、炎症反応は最大10倍の変化を示すようだ、という英国キングスカレッジロンドンからの研究報告。『ネイチャー医学』誌に発表。
この結果は、健康の改善が食事を摂ることによって達成することが可能であり、食事後の炎症を個別化栄養によって減らせることを示唆するものだという。
研究チームは、PREDICT-1研究において、TwindsUKコホートの660名の一卵性および二卵性双生児を含む1,103名の参加者を対象に検討を行った。
本研究は、血糖値、血中脂質、インスリンから運動、睡眠、腸内細菌まで広範囲の生体指標を2週間にわたって測定したもので、食事に対する我々の反応に影響を及ぼすすべての因子を検討したこれまでで最も詳細な研究のひとつであるという。
PREDICT-1の調査結果は以下のとおり。
●腸内細菌、血糖値、血中脂質、インスリンから運動、睡眠まで広い範囲の因子が、個人の最適な健康を達成する能力に影響を及ぼす ●個人の栄養に対する反応が決まる上で、遺伝にはマイナーな役割しかなく、一卵性双生児でも、同じ食品に極めて異なる反応をすることがある ●栄養に対する反応は、すべてのヒトでユニークであり、ただひとつの正しい食べ方などは存在しない ●栄養的に最適な食事の時間は個人によって異なり、固定された正しい食事時間は存在しない。研究チームは、明らかに朝食が食物の代謝に良い人々を発見したが、難の違いもなかった人々もいた ●炭水化物、脂質、たんぱく質、食物繊維の組成が最適な食事もまた個人によってかなり異なるので、エネルギー比率を固定したダイエット法は単純化のし過ぎで、誰にでも作用するとはいえない。たとえば、グルコース(ブドウ糖)に感受性の高い者は、炭水化物を減らすことが有効であるが、他の者にとってはそうでない ●栄養素の比率は、我々の食品に対する反応の25%未満しか説明しない。如何に食べるか(時間帯、睡眠、運動など)が何を食べる過度同じように重要である
「食後の血中脂肪と血糖値の上昇は、個人間で大きく異なる炎症反応を起こすことを発見した。血中脂質と血糖値の長期の上昇を抑えるような食事や生活習慣上の戦略は、2型糖尿病や心血管疾患のような低レベルの炎症疾患から人々を守る助けになるだろう」と筆頭著者のサラ・ベリー博士はコメントしている。
出典は『ネイチャー医学』。 (論文要旨)
|