2020.6.10
, EurekAlert より:
タニサイトはグリア細胞であり、脳内のニューロンとコミュニケートして我々が食べた物を脳に伝える。英国ウォーリック大学の研究者らは、タニサイトを選択的に刺激することで食欲が増加することを発見したという。
タニサイトは、舌の味蕾にある「うま味」を感知する受容体を介して食品中のアミノ酸に応答することによって、我々が食べた物について脳に直接情報を送る。
研究チームは、タニサイトに光感受性イオンチャネルを選択席に発現させることにより、それを極めて特異的に活性化し、それが近くのニューロンを活性化することを示すことができたという。活性化されたニューロンの正体を調べることで、タニサイトが摂食の制御に関与する2つの異なる経路を活性化することを発見した。
一方の経路は摂食を増やすことに関連し、別の経路は摂食を減らしエネルギー消費を増やすことに関連していた。これら二つの逆向きの経路のどちらが「勝利する」かは明確ではなかったが、タニサイトを刺激して摂食行動がどう変わるかを調べたところ、短期的には摂食を増加させた。
「タニサイトは、満腹感をもたらすような栄養素に反応するので、タニサイトが刺激されると、食べる量が減ることが予想されたが、おどいたことに実際にはより多く食べることを発見した。それが長期的にどう体重制御に寄与していくかはまだ完全には理解されていない」と主任研究者のニコラス・デール教授はコメントしている。
出典は『国立科学アカデミー論文集』。 (論文要旨)
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