2020.6.5
, EurekAlert より:
アルコール離脱は、特にメスのマウスにおいて、感情処理と中毒に関連する脳領域のソマトスタチンニューロンの生理学に影響を与えるようだ、という米国ペンシルバニア州立大学からの研究報告。
研究チームは、マウスを無作為に飲酒群または非飲酒群に割り当てた。6週間後、すべてのマウスは水だけにアクセスでき、強制的に断酒された。次に、高架式十字迷路、オープンフィールドテスト、スクロース優先テスト、および強制水泳テストを使用して、マウスの不安行動やうつ病様行動をテストした。その後、脳を蛍光免疫組織化学および電気生理学を使用して分析した。
その結果、アルコールからの離脱は、報酬への無関心、ストレスの多い出来事への反応の増加といった、ヒトのうつ病の症状に似た感情障害をもたらしたという。
さらにマウスの脳を研究したところ、アルコールからの離脱が、前線条皮質と終末線条の腹側床核のソマトスタチンニューロンの生理機能に異なる影響を与えることを発見した。両方の脳の領域は、感情の処理と中毒におけるそれらの役割でよく知られている。
「アルコール離脱の影響は女性でより顕著に現れ、依存症と男女で見られる感情障害との間の複雑な関係を強調している」と筆頭研究者のニゲル・ダオは述べている。
出典は『行動神経科学の最前線』。 (論文要旨)
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