2020.6.3
, EurekAlert より:
乳製品には骨に良い栄養素が豊富に含まれるが、閉経期で骨損失が加速しているときには、骨密度の低下を抑える効果はほとんど期待できないようだ。米国ジョージメイソン大学などの報告。
成長期の子供はしばしば牛乳を飲むことを推奨される。というのも、カルシウム、リン、ビタミンD、高品質のたんぱく質など骨の成長を助ける12種類以上の栄養素を含んでいるからだ。だが、閉経期にさしかかった女性では骨損失が加速され骨粗鬆症になり易くなる。
研究チームは、『全国の女性の健康(SWAN)』研究のデータを解析して、この閉経期の骨損失の加速と骨折リスクは乳製品の摂取によっては防止できないことを発見したという。
今回の研究では、大腿骨と脊椎の骨密度に及ぼす乳製品の摂取の効果が特に調べられた。これは閉経期女性の骨損失と骨折に及ぼす乳製品の影響を検証した数少ない研究のひとつであるという。閉経期の女性は年齢と性別という骨粗鬆症の二大リスクを因子を抱えており、それは女性が自分でどうにかできるものではないので、変更可能なリスク因子に焦点が当てられてきた。
だが、解析の結果では、ベースラインの更年期状態に関係なく、骨密度の変化に有意差は観察されなかったという。また骨折リスクについても有意差は観察されなかった。
閉経期の移行期にあるこれら米国人女性においては、乳製品の摂取量は、大腿骨および脊椎骨の骨密度の低下にも骨折リスクにも関連していなかった、と研究チームは結論付けた。
出典は『更年期』。 (論文要旨)
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