2020.6.3
, EurekAlert より:
メンタルフィットネスをサポートする身体活動に関する先行研究のだ規模分析を行った、というバーゼル大学と筑波大学の研究結果が『ネイチャー人間行動』誌に発表された。
研究チームは80件の研究から幾つかの特徴を抽出した。持久トレーニング、筋力トレーニングあるいはその混合が、認知パフォーマンスを改善するようにみえるという。けれども、複雑な動作パターンと相手選手との相互作用を要求されるようなコーディネイトされたチャレンジングなスポーツなら、効果は顕著に高まるようだ。
より高い運動強度が、メンタルフィットネスにより高い効果をかならずしももたらすわけではないという。だが、より長時間の持久運動は、認知パフォーマンスのより大きな改善をもたらしてくれそうだ。
我々の身体条件が年齢によって変わるように、認知パフォーマンスも年齢と共に変化する。子供の時(認知機能の発達期)には改善の余地が大きい。また高齢者も(認知機能が衰退する時期)また改善の可能性を秘めているという。だが、様々な年齢層の中で、スポーツ活動の有効性の異なるレベルの単一の指標はみつからなかったという。
さらに、小学生から高齢者までのスポーツ活動において、認知パフォーマンスを改善するための基本は同じだという。したがって、異なる年齢層でも同じゴールを目指すことができるという。「これは既に子供と祖父母のジョイント運動プログラムに選択的に取り入れられている」と研究者は説明する。
同じボリュームのスポーツ活動が、男女の身体フィットネスに異なる効果をもっていることは、既にみんなが気付いていることだが、今回研究チームは、それがメンタルフィットネスにもいえることを発見した。男性の方がスポーツ活動から受ける恩恵は多いようだ。
性差は特に運動強度の違いで明らかだという。スポーツの種類は関係がない。きついワークアウトは特に少年と男性に有効に見える。次第に運動強度を高めていくことで、長期間にわたる認知パフォーマンスの大きな改善が期待できる。
対照的に、女性と少女の場合、運動強度を早く高め過ぎると効果が消えてしまうという。彼女らには低から中強度のスポーツ活動を選択する方が認知フィットネスを高めるのに有効なようだ。
出典は『ネイチャー人間行動』。 (論文要旨)
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