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[病気]  コロナ重症化リスクを高める(?)遺伝子を発見
2020.5.29 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

アルツハイマー型認知症に関連する遺伝子に欠陥がある人は、重度のCOVID-19を発症するリスクが2倍になることが、大規模調査により明らかに。英国エクセター大学などの研究。

エクセター大学とコネチカット大学の共同研究チームは、「英国バイオバンク」のデータの分析から、APOE遺伝子に不完全なコピーを2つ持つ(=e4e4と呼ばれる型)ヨーロッパ家系の人は重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)リスクが高くなることを発見した。

ヨーロッパ家系の人は36人に1人の割合でこの遺伝子型を持っているが、この型はアルツハイマー病のリスクを14倍にも増加させるほか、心臓病のリスクも増加させることが知られている。この遺伝子型を持つ人は、アルツハイマーを発症していなくても、COVID-19のリスクが2倍になることが、今回明らかになった。

研究チームは以前、認知症の人はCOVID-19が重症化するリスクが3倍になることを発見した。ただし、その原因の一部は、これらの人々の多くが暮らす介護施設でウイルスが蔓延したためであった可能性がある。そこでチームは、APOE遺伝子がe4e4型の人は、同遺伝子の一般的な型であるe3e3型の人と比較したところ、重度のCOVID-19発症リスクが2倍にのぼることを発見した。なお、分析対象としたデータは、健康と遺伝に関する50万人ものデータを集積する英国バイオバンクから得た。

英国民全体、またUKバイオバンク登録者のいずれも、大多数は今のところ新型コロナウイルスにさらされていない。この分析では、ヨーロッパ家系の参加者(38万2,188人)のうちApoE遺伝子e4e4型の人はわずか2.36%(9,022人)であったにもかかわらず、COVID-19陽性者(721人)のうちe4e4型の人は5.13%(37人)にのぼった。

すなわち、e3e3型の人と比較してe4e4型ではリスクが2倍になることを示唆している(10万人あたりの罹患者がe4e4型で410人、e3e3型で179人)。

共著者であるコネチカット大学のクン博士は、次のように述べている。

「この欠陥のある遺伝子がCOVID-19に対する脆弱性を引き起こす原因を特定できるようになる可能性があるため、エキサイティングな結果です。新しいアイデアにつながる可能性があります。加齢とともに避けられないように見える疾患リスクの増加は、実際には特定の生物学的差異が原因である可能性があることを改めて示しているため、重要です。なぜ100歳以上になっても活動的な人がいる一方で、60代で動けなくなり亡くなる人がいるのかを理解する手がかりになるかもしれません 」

チームを率いたメルツァー教授は「いくつかの研究では、認知症の人が重度のCOVID-19を発症するリスクが高いことが示されています。この研究は、このリスクの高さが単に認知症や加齢、虚弱、または介護施設でのウイルスへの暴露の影響によるものではない可能性を示唆しています」

とし、「この影響は、部分的にはこの根本的な遺伝的変化が原因である可能性があり、これによりCOVID-19と認知症の両方の危険にさらされます」と強調している。

出典は『老年学雑誌: 医学』。 (論文要旨)      
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